何を重ねますか?

おはようございます。

2月、更衣(きさらぎ)、如月(きさらぎ)と2月の月名に字が二つもあります。いずれにしましても、更に、前の月と同じようにという意味であります。もうすぐ立春ですが、それは名ばかりで、まだまだ寒いから更に衣を重ね着するようにという意味です。そして如月は前の月と同じように寒いよ、気をつけなさい、用心しなさい、という意味です。今月もお訪ね下さい、よろしくお願いいたします。
寒ければ着る物を厚くする、重ね着する、当たり前に自然と行動します。いつも書いていますが、何か思わしくない結果が生じた時、素直にプラスしていますか?、アドバイスを素直に取り入れていますか?ということです。取り入れず、プラスしないから堂々巡り、人生をというより、自分を大事にしていない。
頭の中だけが正しくて、行動がまったく違っている、自分で納得だけして、周りに迷惑をかけていることに気づけない?気づかない?、こんな心理状態でいるから心が落ち着かない。
煩悩には百八あるといわれています。根元は一つの分別知です。煩悩を大別しますと「知性の煩悩」と「感情の煩悩」の二つがあります。「無明と愛欲」とも言います。無明と愛欲とは、「あらゆる煩悩を生み出す自在の力を持っています」。
なかなか私たちは煩悩を滅することは難しいことですが、二つの根元を知ることで意識して行動することで確実に減っていきます。
無明とは「無知のこと」で「ものの道理をわきまえないこと」。愛欲は「激しい欲望で、生に対する執着が根本であり、見るもの聞くものすべてを欲しがる欲望ともなり、また転じて、「死を願うような欲望ともなる」のです。
この無明と愛欲とをもとにして、これから貪(むさぼ)り、瞋(いか)り、愚かさ、邪見(じゃけん)、恨(うら)み、嫉(ねた)み、へつらい、たぶらかし、おごり、あなどり、ふまじめ、その他いろいろの煩悩が生まれてくるのです。
心に寒さを感じたり、孤独感に苛(さいな)まれるのは、上の知性と感情によるのです。正しい知性、己の感情をコントロールする法を「心に重ね着」しましょう。
貪りの起きるのは「気に入ったものを見て、正しくない考えを持つためであり」。瞋(いか)りの起きるのは「気に入らないものを見て、正しくない考えを持つためであり」。愚かさは「その無知のために、なさなければならないことと、なしてはならないことを知らないことである」。邪見は「正しくない教えを受けて、正しくない考えを持つことから起きる」。
この貪り、瞋りと愚かさは、世の三つの「火といわれています」。貪りの火は欲にふけって、真実心を失った人を焼き。瞋りの火は、腹を立てて、生けるものの命を害(そこ)なう人を焼き。愚かさの火は、心迷って仏の教えを知らない人を焼くのです。
まことに、この世は、さまざまの火に焼かれています。貪りの火、瞋りの火、愚かさの火、生・老・病・死の火、憂い・悲しみ・苦しみ・悶(もだ)えの火、さまざまの火によって炎々と燃え上がっています。これらの煩悩の火はおのれを焼くばかりでなく、他をも苦しめ、人を身・口・意の三つの悪い行為に導くこととなるのです。しかも、これらの火によってできた傷口の膿(うみ)は「触れたものを毒し、悪道に陥(おとしい)れるのです」。
家で会社で国で一人の者が貪り、瞋り、愚かさの火に焼かれる者が出ることで、その業火に多くの人が巻き込まれ不幸になるのです。このように自分自身がならないために、心に寒さを感じたとき、懺悔文を日々お唱えして、心暖めて一日をスタートさせることです。私たちが日々のお勤めに必ずお唱え、戒めとしています。紹介します。
我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう)
皆由無始貪瞋痴(かいゆうむしとんじんち)
従身語意之所生(じゅうしんごいししょしょう)
一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ)
読み下しでの紹介。
われら衆生無始(もろびとむかし)より。
貪(むさぼ)り瞋(いか)り痴(おろか)にも。
造れる罪業(つみ)の数知れず。
身(からだ)・語(ことば)・意(こころ)もて。
誤(あやま)ち犯せる所なり。
今無上尊(いまみほとけ)の前にして。
残らず一切(すべて)懺悔(さんげ)しつ。
乞(こ)い願わくは一切諸仏(ほとけたち)。
已(すで)に造れる罪障(つみ)は消滅(け)し。
自他衆生(われらもろびと)ことごとく。
清浄(きよ)き仏道(みち)にそ精進(いそ)まん。
従今以往(これよりのち)は大慈悲の。 
護念(まもり)の業(わざ)を仰(あお)がなん。 
更(さら)に防遮(すくい)を垂(た)れたまえ。
最初は漢文のままお唱えいただき、それから読み下し文をお唱えください。三毒の煩悩に犯されれば、大切な身近な人を毒します。しかし毎朝「懺悔文をお唱えしますと、大切で身近な人を幸せに導き、御仏のご守護も得られる」のです。
心に普遍なる偉大な「教えを重ね着しましょう」そうすることで寂しい心が、暖かくなります。更に周りの人をも暖めます。今月もよろしくお訪ねください。今日も素晴らしい一日でありますよう、皆様の2月が更なる素晴らしい月となりますことをお祈り致します。  

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
鹿児島のUさんから心華寺・節分会厄除け開運・星祭り「採燈大護摩火渡り法要」の時に「豆まき」に皆さんにと沢山の「お豆さん」を送っていただきました。Uさんありがとうございます。感謝いたします。