二つの問い方

おはようございます。

 新しい週、今週もよろしくお願いいたします。昨日、副住職の「懺悔練行」にご随喜くださいました三人の皆様ありがとうございます。ますますのご精進をくださいますよう。ご随喜いただき感謝致します。今朝は雨が降っています、事を行っていますといろいろなことで磨かれます。何ごともスムーズに行かないからこそ行でもあるのです。
 お釈迦様は王子としてお生まれになりました。七才の時、父王に従って田園に出、農夫の耕すさまを見ているうち、すきの先に掘り出された小虫を小鳥がついばみ去るのを見て、「あわれ、生きものは互いに殺しあう。」とつぶやかれたそうです。
 幼いころから多感であったシッダルタ太子(後の釈尊)でしたが、そのシッダルタ太子が出家を志す大きな機縁になったと言われる四門出遊(しもんしゅつゆう)というエピソードが あります。最近この話が身にしみて実感しておりますのでご紹介します。
 「太子がお城の東門から馬車に乗って出かけると、見るに耐えないヨボヨボの老人と遭遇しました。太子は、お供の者に『あれは何者か?』とお尋ねになりました。
 お供の者は、答えました。
 『老人でございます。すべての人間は、生身であるいじょう、老いの苦しみを免(まぬが)れるものは、ございません』
 太子は考え込んで、もう遊びにいくどころではなく、お城へ帰りました。
 それからしばらくして、また、外出することになりましたが、東門をさけ、南門から出かけました。すると、道端に倒れてる病人と遭遇しました。太子は、お供の者に『あれは何者か?』とお尋ねになりました。
 お供の者は、答えました。
 『病人でございます。すべて人間は、生身であるいじょう、病の苦しみを免れるものは、ございません』
 太子は考え込んで、もう外出どころではなく、お城へ帰りました。
 また、それからしばらくして、外出することになりましたが、東門と南門をさけ、西門から出かけました。すると、遺体を運んでいるお葬式に遭遇しました。太子は、お供の者に『あれは何者か?』とお尋ねになりました。
 お供の者は、答えました。
 『死人でございます。すべて人間は、生身であるいじょう、死の苦しみを免れるものは、ございません』
 太子は考え込んで、もう外出どころではなく、お城へ帰りました。
 そのつど、あれは何かと聞きます。
 お釈迦様はいい年をして老人も病人もわからないのか、と思う人がいるかもしれません。
 でも、「質問には二つ」あります。
 わからなくて質問する場合と、自分はよく知っているが「相手に理解を深めさせるために聞く場合」とがあります。
 釈尊の質問はその後者で、「老」「病」「死」という人生の重大事実を相手(私たち)に深くわからせるために、そのつど聞いたのです。
 それらを目にして、生きていれば老・病・死の三苦は避けられないのに、誰もそれを自覚することなく日々を無為に生きていることを痛感します。
 そして最後に北門を出たときに出家した修行者に出会い、その落ち着いた、清らかな足どりで歩く姿に感動し、自らも出家をしようと決意したといいます」。
 これが「四門出遊」、後世に生まれた説話です。
 今、私は病を得ています。しかし、教えをいただいているためでしょうか、「気は病んでいません」「病気にはなっていません」。
 人間は環境が心にかない調っていますと、人様に親切にもでき、謙遜にもなれます。しかし逆の場合はどうでしょうか?人様に親切にできますか?、謙虚に生きることができますか?いかがでしょう?
 自分にとって面白くないことばが耳に入ってくるとき、相手が明らかに自分に敵意を見せて迫ってくるとき、衣食住が容易に得られないとき、このようなときにも、なお静かな心と善い行いとを持ち続けることができますか?
 環境がすべて心にかなうときだけ、静かな心を持ち善い行いをしても、それは「まことによい人とはいえないのです。よい人生とはいえないのです」。
 ここに、教えの大事が見えてきます。教えによって身も心も練り上げてこそ、己を見失わず静かに目的に歩を進めていくことができるのです。
 今、病を得てしみじみと教えのありがたさ、尊さを実感しています、と同時に、お釈迦様の利他、慈悲の心が教えを説いて下されたことに感謝の思いを強くしています。自分が病を得、人の痛みを和らげることができるために私は何をすべきかをお釈迦様は、この四門出遊から教えて下されているのだと受けとめております。これから護摩を修し祈ります、法を伝えて下された先人に感謝し今週の皆様のご安泰を祈るのが私に課せられた使命として真摯に祈ります。
 皆さん、生老病死の四つの真理は絶対であります。だからこそ正しい考えを持ち、豊かに人生を歩もうではありませんか。素晴らしい一週間をお過ごし下さい。  

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
☆「仕事運が良くなる」日々の四つの実践徳目:慈悲の心を持つ(思いやりは勇気)・質素倹約(物心両面のゆとりがなければ心貧しくなる)・謙虚な心(争いを生まない)・一隅を照らす(ポストにベスト)。 合掌
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☆昨日ご随喜をいただきました皆様ありがとうございます。宇治川にかかります朝霧橋から宇治川の水神様と比叡山を遙拝している行者です。