詩への思い

おはようございます。

 今朝は冷たい雨の下関です、全国的に厳しい寒さだそうです、こちらも雪が降るという予報、インフルエンザが流行っています、お大事にお過ごしください。
 下関・愛宕寺様での私の執務室にこの度帰りますと、掛け軸が変えてありました。皆さんがおりおりに軸を変えてくださるのが楽しみでもあります。漢字は味があるもので、字を見ていますといろいろな自分の心に出会えるのが良い、その時の心境で味わいも違ってきます。
 「山青花欲然」山青くして花然えんと欲す、という京都仁和寺の三九世慈航和尚の字が掛けられていました。
 この詩は杜甫(とほ)が流浪しているときの「絶句」(唐詩選)です。故郷を想い歌ったのかも知れません、自然の美しさを観て、はたまた未来の願い、夢を素直に歌ったのかもしれません。
 江碧鳥逾白  江碧(こうみどり)にして 鳥逾(とりいよいよ)白く
 山青花欲然   山青くして 花然えんと欲す
 今春看又過  今春看(こんしゅんま)のあたり又た過ぐ
 何日是歸年  何れの日か 是れ帰年   
 柴山全慶(しばやまぜんけい)老師編『禅林句集』(1959年(昭和34年)臨済宗南禅寺派管長(1959-1974)に就任し管長在位のまま1974年(昭和49年8月29日)遷化。世寿81)には、「緑の水上を泳ぐ眞白な鳥、青葉の茂みに燃え立つ紅い花、描き出す悟りそのままの妙景」とあります。(江碧鳥逾白山青花欲然)
 有馬頼底(ありまらいてい)老師監修『茶席の禅語大辞典』(現・相国寺管長)には、「……色とりどりの春の景色、そのコントラストの妙を詠む。川がみどり深く流れており、水面に浮かぶ鳥の姿はますます白く見えて眼に染みるよう。山々は新緑の青葉につつまれ、そのあちこちに真紅の花が燃え立つように咲いている。うつくしい事この上なし。眼前のこの景色がそのまま真理の風光であり、仏のみすがたである」とありますが、
 杜甫の心中は図りがたいものですが、読んだ者の心境を解し、杜甫の思い、心境に迫り浸ることも大事でしょうが、私は自分の今の思いで解することが大切ではないかと思っています。
 杜甫が宮仕えを辞め、失意のうちに故郷へ帰るときに歌ったとされています。人生若い自分には意気軒昂(いきけんこう)に未来を思い抱き歩んだものの、いつしか挫折感を覚え、家に帰るに帰れない杜甫であったのかもしれません、山の?を眺め、花の燃え立つように咲かんと欲している姿を己と重ね合わせたのかもしれません。故郷にはいつ帰れるのだろうという思い、私にも一度や二度このような思いをしたこともあります。今でも故郷を思い、東京に出たときのことや、比叡のお山に入ったときのことを思い起こすときがあります。
 そんな思いをしているときに、故郷の姉から電話が入り、思わず目頭が熱くなりました。杜甫は彷徨っていても志を未だ失っていないのでしょう。毎年山は美しく、花は燃え立つではないかと、己自身への奮起を思ったのでしょうか?。希代の詩人でさえ嘆くときは嘆く、しかし自然に力をいただいたのでしょう。
 学びは希望を失わせない、己を見失わないのです。反省しながらも、後悔はしないのです。ぼろは着てても心は錦、誇りを失ってはいないのです。貧すれば鈍すことがいけません(賢い人でも貧乏になれば心が貧しくなること。貧乏をすると、毎日その生活のことばかり考えるようになるから、人は知恵や頭の回転が衰えてしまい、賢い人でも愚かになるという意味。また、暮しが貧しくなれば、心までも貧しくなるものだということ)。
 今夜は「にんげん学」小倉初講座「老子を読む」です。文字に親しみ、さまざまな現実に遭遇しても、己を見失い、狼狽(うろた)えない、心貧しくしないよう今年もご一緒に学んでください。会場でお待ちしております。冷たく雪が降りそうですのでお気をつけてお出でください。
 今日は文字から受ける心の悦び楽しさを思いお過ごしください。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。 合掌
※運命開運相談。辯財天秘法姓名判断。家相、地相の相談等々ご相談ください。0774-44-5380。mail:bonsan01@wao.or.jp。相談したときから主体性のある本物の人生が始まります。
✩大切なお願い来週28日月曜日からブログのアドレスが下記に変わります。よろしく変更ください。
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✩山青花欲燃

✩昨日、宇治心華寺・金港辯財天様では「仏器」磨きのご奉仕の日でした。ご奉仕いただきました皆様、ありがとうございます。皆様へのご守護が一層でありますことをお祈りいたします。