言葉を大切に

おはようございます。

7月今月もよろしくお訪ね下さい。陰暦の文月(ふづき)、陰暦の月名は良い響きです。何ともいえません。読むだけで見るだけで心に何かを感じてしまいます。その感情が心地良いのかもしれません。
漢字とは、その字から自分だけの思いを感じとれるのがいい、お茶室の床の間に掲げられる一幅のお軸の字を拝見したとき、掛けられた人の気持ちが伝わってきます。
言葉も同じです。だからこそ「言行一致が望ましい」というよりも「言行一致」すべきです。今月は文月に相応しく「言葉を大切にする月としてはいかがでしょう!」。そのためには「大言壮語は慎む」「戯論(けろん)は言わない」(無意味で無益な言論。愛着(執着)心から行う言論であるところの愛論と、偏見より行う言論であるところの見論とがある。仏教では形而上学的な議論は戯論に属すると考えています。戯論とは、知識があっても行動しないこと、できない事をいう。仏教は教えを体現することが人生と教えます)。
言葉、字は見る者、読む者をして不安を払拭し勇気と希望をかき立ててくれます。かき立ててくれるからこそ血気にはやらず着実に歩みを進めるべきです。
文字を見、読めば心が豊になります。人生は困難や障害に遭遇するものでもあります。時に心がいらついたり、荒みかけるときもあります。しかし、「教え、言葉を心に保っていれば、その荒む心を癒し、温かく包み込み、やる気を引き出してくれます。」
「苦境が人を鍛え上げる」ことは間違いありません。菜根譚清朝(しんちよう)本に、
「気持ちがすさんでいれば、どんなに良い環境にいても悲惨な境遇と変わらず、氷のように冷え切ったところにいるようなものだ。
気持ちがすこやかであれば、苦境に陥っても氷が溶けて水になるような温かさに包まれた気分で生きていける。」と。
このような教え一つ、言葉一つを灯火としていれば、落ち込んでいるからこそ心に沁みこんでいくのです。
人生は本来意に染まないことも多いものです、だからこそ「真っ正面から向き合わなければいけません。」そして、決して「苦難の道しか残されていないと考えてはいけません。」
世の中は「正と負が表裏一体になっているからです。」「悲しみや苦しみからは喜びや楽しみが生まれます。」「衰退や敗北からも繁栄や栄光が立ち上がってくるのです。」昔から「楽は苦の種、苦は楽の種」といいます。
先人や現代の人の中、ドラマの中にも「喜ぶべきことに、生活が苦しくても、笑いが絶えず、あたかも苦しいことがないかのように振る舞っている人がいます。」
そういう人びとは、「楽しいのは心の働きであり、外界によって左右されるものではないと考えられる人です。」私もそうありたいと思います。
孔子は弟子の顔回(がんかい)を次のように「称賛しました。」「質素な食事、わずかな飲み物、狭苦しい路地裏住まい、普通の人ならとても我慢できない赤貧(せきひん)の暮らしでも、顔回は相変わらず楽しく生きている。まことに素晴らしい人物である。」
たくましく生きている人は、困難な生活でも不安におののくことはないのです。私も比叡山下山時信者さんが一人もおらず収入もなく、心華寺の初代管長に一日一食の「お粥をお布施していただき一年暮らしていましたが何の不安もありませんでした。」
「苦しいかどうかは気持ち次第と教えていただいたからです。」耐え忍んでいれば、苦しいときほど、そこから得られる果実がますます美味であることを知ったのです。
だからこそ、苦境は必ずしも悪いことばかりではなく、素晴らしい恩恵も与えて下さるのです。「苦境は人の頭を働かせ、精神力を鍛え上げ、後に人格を育むのです。」私は教え、文字、言葉からこのような希望と勇気をいただきました。
そして何より素晴らしいのが、言葉は自分を「映す鏡です。」心身の「身だしなみを整えることが出来るのです。」いわゆる「人間として行儀が悪くならないようになる」のです。
人は人を見ることが得手でも、自分を見ることが苦手です。だから「人様といらぬ争いを起こし、不仲になってしまう愚を犯すのです。」これでは何の知識かと言わざるを得ません、正しくこのようなことが「戯論(けろん)」なのです。
一つの言葉を頼りに歩みますと、自然謙虚になり、いつまでも未熟を知り、上には上が居ることを知り、己自身を磨き高めていくことの大事を知ることになったのです。それが自己啓発、啓蒙でもあるのではないでしょうか。己自身が気づくことが無ければ、ただの物知りで何一つできないのです。そして周りにおられる素晴らしい人の存在すら気づけなくなるのではないでしょうか。
今月は「言葉を大切にする月といたしましょう。」明後日3日は「大般若経六百巻転読会法要」です。教えを信じ、私一人では至らないことを知ったからこそ、仏にすがり、教えを頼りにできたからこそ「比叡山から素晴らしい6名の高僧をお招きして大法要を勤める縁ができました。」そして皆様に「禍転じて福と為す」素晴らしいご利益を得ていただくことができるのです。六百巻という厖大な数の大般若経の風をどうぞお受け下さい。3日午前10時30分から厳修致します。
今月も素晴らしい一ヶ月となりますようお祈り致します。多くの皆様に感謝いたしましょう。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
私たちは熊本・大分地震の復興支援を応援します。ボランティアの皆さんご苦労様です。お気をつけてご支援ください。ありがとうございます。
久しぶりの夕景です。






明日と明後日ご奉仕お待ちしております。

3日は「大般若経六百巻転読会法要」です。大勢の参拝者の方がこられます。明日、明後日とお手伝いいただけるかた大歓迎です。男性の方のお手伝いが少なく困っています。
明日10時から準備を行いますので。よろしくお願いいたします。   合掌