智慧波羅蜜

おはようございます。

 昨日は涼しく肌寒さを覚え、長袖を出してもらいました。夜は長袖の寝間着、厚めの布団、用心にこしたことはありません。皆さんもお大事にしてください。何ごとも随縁、縁に随い水の如く柔軟に対応する自在心での実践。己を養うのに、己を見失うような我を張っては、怪我の元です。
 今日は彼岸の明け智慧波羅蜜を修め六波羅蜜を明日から日常とする日です。智慧波羅蜜とは「「正しい判断力」。「自分が何をすればよいのか」「相手に何をしてあげればよいのか」そうした事柄を道理に添い適切に考える力ということです」。そして何より大事なのは「愚痴を言わないこと」。
 「智」はものごとの差別をつかむ力、「慧」はものごとの平等をつかむ力。要するに、違いを知って布施する、サポートさせていただくことが智慧波羅蜜
 一方、「智慧」をさまたげるのが「愚痴」。本能の命ずるままにものごとを判断したり、後先を考えずに、我で行動したりする愚かな心をさします。迷い苦しむのは我で考え行動したからと思うことです。
 不幸の原因は、自分の心の中にある無明(我)です、智慧がなく世の中の道理に暗い状態を意味しています。人間は、自分に不幸が降りかかると、その原因を「自分以外のものに責任転嫁しようと試みます」。
 教えの目的は、自分に降りかかる苦からの離脱であると言っても過言ではなでしょう。そして、この不幸の原因を見いだし、納得した解答が得られて、はじめて人は安心の境地を得るのです。
 六波羅蜜を通し、我執を取り除き、慈悲の心で自分と他人の対立・区別を無くし、自他一致の心持ちで行動する者を、仏教では菩薩と呼んでいます。菩薩道が利他であり、六波羅蜜の日々の実践が安心の境地を得るのです。
 愚かな考えが起きるのは、損得・多少・上下、すべて表面的な世界に惑わされて起きることを知りましょう。六波羅蜜を生涯行じてください。利他の行動は「分かち合う、共にする喜びの人と多く出会う道」です。
 私は利他の行動で確かに多くの方々と共にできたことを実感しております。比叡山伝教大師は「道心の中に衣食あり、衣食の中に道心無し」と喝破しました。当にまさに、お大師様の教えの通りが現実。欲得で歩んだとしても道理はなく、いくら努力しているつもりでも実らず、出るのは愚痴ばかりです。 
 教えを信じ、利他、布施の道を歩めば、自ずと分かち合い喜びあう人びとが、物心両面に亘り分かち合ってくださるのが現実です。正しく、道心の中に衣食有り。類は友を呼ぶのです。道を信じて歩む人の多くは、義に生き、仁に生き、苦楽を超えて長くお付き合いをいただけるのです。
 衣食に生きる人、功利的な人、損得の人は、いつの間にか目の前から消えていなくなるのです。道義に誠意を示すことは、人間の濾過作用があるようです。智慧波羅蜜を歩み、安心して楽しく日々仕事をしましょう。仕事に感謝も出来ず、楽しくできないようではそれこそ繁栄などおぼつきません。
 今夜は「にんげん学」小倉講座「老子を読む」。老子も相対的価値観の呪縛から自分を解き放てと教えます。背伸びをするな、愚かな競争をするなと、Tao、自然の道を学び、真似び充実した日々を送りましょう。会場でお待ちしております。二ヶ月ぶりの講座楽しみにしております。
 明晩は「にんげん学」神戸居酒屋講座「論語を読む」。ご一緒に時習の喜びを味わいましょう。「学びて時に之を習う。亦説(またよろ)こばしからずや」の喜びを味わいましょう。
 今日は我欲に趨るような愚行をやめ、智慧波羅蜜を実践ください。
  
世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。 合掌
※どのようなご相談でも承ります。0774-44-5380。メールbonsan01@wao.or.jp。相談することの勇気が未来の幸運の扉を開けます、ノックをしましょう。