現世利益

おはようございます。

一昨日からの豪雨でまたもや熊本の皆さんに追い打ちをかけるような被害に遭われました。何とも言いようがありません、心よりお見舞い申しあげます。
暑い時期はお護摩を修しますと汗が噴き出ます。寒いときは寒いときで厳しさを感じます。暑さ厳しさを感じるのは「皆様の願いの熱さだと考えています」、護摩は「すべてを無に帰すこと」です。そして「祈りを成就させる」「現世利益」です。いつの季節でも炎は美しく綺麗です。毎日魅せられ一体感「入我我入(にゅうががにゅう)」を実感。
「※入我我入観=本尊の結ぶ印契を身に結び,本尊の誦す真言を口に誦し,本尊の念ずる観念をこらすことによって感応道交一体となる。その際、本尊が我が身に入り、我が本尊の身に入り、一体無二無別と観ずる入我我入観の世界。」
人事を尽くして天命を待つ、どなたでも誠心誠意このような心境で日々家事、お仕事に精進を重ねていることでしょう。ブログが世界を駆け巡る科学時代の今日でも、いつ何時事故や災難に出会うかもしれません、生命の危機、仕事での不安はいくら科学が発展したとしても残るのが私たちの気持ちです。
そうしますと、大切なご主人や子どもが家から学校、会社に出たあと、今日も無事で帰ってほしいと願うのは人情です。それが祈りです。人間の手でやれるだけのことはやりとげて、それでもいくらかの不安は必ず誰にでも残るのです。
このかすかな不安があるために、人はただ目に見えぬものにすがる。そして祈るのです。地球誕生以来人間の営みが祈りです。私は祈りの世界に身を置き50年、半世紀になりますが、やはり、この厳しい社会の中で、豊で安らかな暮らしを立てているご家族の皆さんは、「祈るご家庭の方が多いのです。」
古代から今日まで、人事を尽くして天命を待つことをしながら、人として感じる残る1%の不安に心の底から、大音声で、生命の危険に対する不安に、祈りを捧げているのです。
「祈りを忘れている人は、何か起きたときは我を忘れ、茫然自失となり、あわてふためくのです。」
人事を尽くして天命を待つという、その場にあたって、心静かに祈ることのできる人は、つねに祈り続けてきた人です。
一昨日護摩木に書かれてあった母親の「娘の一日が幸せでありますように」の思い、正面きって目に見えぬものにすがる母親の真実、誠実。娘さんの幸せを祈る母親の愛情、私の心も幸せに豊に、そして熱くなりました。現世利益を願うのは人として当たり前の素直な気持ちです。皆様の今日一日が幸せでありますように護摩を修します。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
私たちは熊本・大分地震の復興支援を応援します。ボランティアの皆さんご苦労様です。お気をつけてご支援ください。ありがとうございます。