生きるために

おはようございます。

先日20日「口で描く画家、南正文先生」の奥様、南弥生様がお子様、お孫さんと三人で心華寺におまいりくださいました。2月に河内長野市H社の稲荷祭りにお伺いしたおり、H会長が南先生が昨年12月にお亡くなりになられたので仏前にお供えしたいと心華寺の線香「華」を50箱欲しい旨をお聞きしお届けしました。
南先生の素晴らしいご活躍をお聞きし、私がお供えさせていただきますと50箱をお供えさせていただき、そのお礼におまいりくだされたのです、ありがたいことです。
「華」の香りをH会長はお好きで、生前から南先生のお宅にお邪魔する度にお持ちになっていたそうです、それを又南先生ご夫妻が気に入り、それでお供えしたいということでした。
南正文先生は「大石順教尼」のお弟子さんです。大石順教尼はご存知の方も多いと思いますが、「両腕を失いながらも出家し、京都で『宗教法人仏光院』を創設、福祉活動に献身する一方、口で筆をとり絵画、書に励まれ、日展に入選されるなど功績を残され、世界身体障害芸術家協会会員として、東洋初の認証をうける他、叙勲、従六位勳六等宝冠章を授与されたという素晴らしいお方です。」。
縁とは不思議ですね、H会長のご先祖様へお供えをしていただこうとの思いが、縁尋機妙、縁が縁を尋ね妙なる世界へと導かれたのです。
「生きるために」。
南先生の奥様がご来寺くだされたとき「先生は凄いですね」小学3年生の時家業の木工機械のベルトに巻き込まれ両腕を失い、私たちでも至難な絵を描くことを口でなさるなんて、という不躾で失礼な質問をさせていただきました。
何と、このような答えが返って来たのです。主人は「生きるためにやることをやっているだけだと言っていました」と、淡々とお話しされたのです感動の言葉でした。
いかがです、皆さん真っ直ぐに自分を正直に見て「言っている言葉」です、選択肢のない世界を生きている。動くのは口か足、それで生きるしかない。嘆いていてもどうしようもない。苦しみ悩んだでしょうきっと想像できません。そうして「生きるために真っ直ぐに生きた」、思わずそのお言葉に目頭が熱くなりました。
南先生は「小学校三年の春休み最後の日、父が経営する木工所を手伝っていて、機械のベルトに巻き込まれて両腕をもぎ取られる事故にあう。事故のため二年遅れて、養護学校へ4年生から入学、そこで口で本をめくり、足指でノートをとり、足と肩で箒を支えて掃除することなど勉学と生活訓練に励む。中学二年のとき、今は亡き大石順教尼に師事。昭和42年 堺市展に初出品し、入選。以後、毎年入選。昭和45年堺市展で奨励賞を受賞。以後、毎年受賞昭和50年 世界身体障害芸術家協会(現在は口と足で描く芸術家協会)会員。以後各種の展覧会・グループ展に出品。平成7年 堺市展審査員。平成8年 堺市身体障害者相談員。平成11年 財団法人ソロプチミスト日本財団より社会貢献賞受賞(先生のプロフィールより)」。
先生は私の4才下です。どのような人生だったのでしょうか、きっと素晴らしい人生だったと思われます。素晴らしい絵を描き多くの人に勇気と希望を与えられたのです。
南先生は「出来ないことと、しないことは違う」と大石順教尼に教わったそうです。どうでしょう、今日の私たちは余りにも、「できることでもしない、できることをもしていない」のではないでしょうか。奥様の口から南先生の生き様をお聞きして大いに反省しました。
H会長素晴らしいご縁をありがとうございます。今日は春のお彼岸の最終日、結願でもあります。南先生の奥様のご来寺は阿弥陀様ではなかったのかと思われます。
明日は愛宕寺「月例・幸福開運護摩祈願祭」です。お陰様を祈りましょう。感謝を祈りましょう。そして「生きるために素直になりましょう、生きることに真摯になりましょう」、明日午前10時に愛宕寺でお待ちしております。
今日から一泊二日心華寺で「M&Uスクール」が開校されます。受講生の皆さん気をつけてお出かけ下さい。私は愛宕寺ですので今月もお会いできませんお許しください。今日も皆様にとり素晴らしい一日でありますように。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。 合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。