今を

おはようございます。

心華寺に戻りました。新幹線の車窓から眺める景色もやはり冬景色、四季折々に風情が変わり、人波の勢いや行き交う人の香りも違っています。今年一年も東に西に飛び回り尻が落ち着かないと言われています。１０代に故郷を出た事が先ず尻の落ち着かない始まりだったのかな？と遠い記憶をたどっています。
行く雲の如く、流れる水の如し、行雲流水、言葉にすれば何か格好の良いようにも聞こえますが、逆に言えば根無し草のようにも、だからといって悔やんでいるというのではなく、やはり運命かな？とも、受け入れて楽しく豊に生きようと思う、これが私の分でしょう。
「今を」。
三好達治の詩集に「昨日はありません　今日を打つのは今日の時計　昨日の時計はありません　今日を打つのは今日の時計」というのがあります。
過去、現在、未来と時間軸で考えるのは人間だけかもしれません。人間だけかもしれませんがやはり考えてしまう。だからこそ苦悩する時間概念というものを持ちたくはない、後悔するようなことはしてはならないと正直思う。しかしなかなかである。
苦悩を明日に引きずることのない今日一日でありたい、明日を夢見ても。今を楽しく豊かに生きるために人様と接したいと考えます。
私たちの暮らしは、必ず何かと繋がりをもっています。それは人であったり、自然であったり、空間であったり。だからこそ、人を敬う心、いろいろな場所、空間、電車内、歩いている道路、自然を大切にする心を忘れたとき、むやみに人と争ったり、自分の都合だけで、マナーを損なったり、公徳心に欠けたり、自然を傷つけることが起きるのだと考えます。
ですから、人間関係の基本は、自分が先ではなく、まず、「相手のことを思いやる生き方だ」と思います。それは、生きとし生きるものはすべて何かと必ず繋がりをもっているからです。その繋がりの中で、私たちは生きていますし、生かされています。
そして、人は、ただ一人では生きられません。自分が生きている、生きることができていることは、「多くの人や物、空間に支えられ生かされて生きている」のです。
神仏は、人を敬う心や自然を大切にする心を忘れてはならないと教えました。しかし、現実は、それが希薄になって、その結果、いのちを軽視し、人を軽視した事件やいろいろな社会問題が次々と起こっているのではないでしょうか、悲しい現実です。しかしだからといって人に不信感を持ってはいけない。
故郷を出てから多くの方がたに生かされてきました。私にも根本煩悩があります。だからこそ欲望の執着のおもむくままに過ごすのではなく、先ず「お先にどうぞ」という在り方で、争いを少なくしなければと努力しています。お大師様は「己を忘れて他を利する」と教えています。
教えの通りにはなかなかにできませんが、毎朝お大師様の心「国の宝」というお言葉「宝とは道心なり、己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」を読誦し己の戒めとしています。各地でお世話になり帰ってきますと来し方を反省。今日は今日の時計で考え過ごしましょう。　

世界平和をお祈りいたしましょう。Ｆｌｏｗｅｒ　ｉｎ　ｙｏｕｒ　ｍｉｎｄ・ありがとう・心に華を咲かそう。日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。 　合掌
　私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。
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