布施波羅蜜

おはようごいざいます。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉にぴったりの彼岸の入り、穏やかで暖かい日でした。愛宕寺「春季・彼岸会法要」おまいりいただきありがとうございます。前日からご準備、そして法要後のお手伝いありがとうございます。ご先祖様がお喜びです。年中行事を確かにすることで一歩ずつ歩むことができます。
何もせずに良い結果、気持ちを込めずに良い結果を得ることはあり得ません。また次につながる発想も工夫も、反省もできず、良い結果が得られないため不平と不満だけ、それ以上に後悔の念に苛(さいな)まれることになり、自分で自分を苦しめることになるのです。
やはり、年中行事、決められた易行道を歩み心豊かに明るく暮らすべきです。年中行事を素直に行えば楽しく暮らせるのです。
お彼岸は「六波羅蜜(ろくはらみつ)を行ずる時」でもあります。六波羅蜜とはサンスクリット語のパーラミター pāramitāの音写で「彼岸」のことです。六種とは,(1) 施しという完全な徳 (布施波羅蜜) 。(2) 戒律を守るという完全な徳 (持戒(じかい)波羅蜜) 。(3) 忍耐という完全な徳 (忍辱(にんにく)波羅蜜) 。(4) 努力を行うという完全な徳 (精進(しようじん)波羅蜜) 。(5) 精神統一という完全な徳 (禅定(ぜんじよう)波羅蜜) 。(6) 仏教の究極目的である悟りの智慧という完全な徳 (般若(はんにや)波羅蜜) です。私たちが毎日お唱えします聖典「般若心経」は楽しい世界に到る聖典です。毎日読誦しましょう。
一週間なのに六つしかないではないかというなかれ、お中日は「反省する日」です。これまでの三日を確かに反省、これからの三日をいかに過ごすか、そして日々暮らせることをご先祖様に改めて感謝する日です。
昨日は第一日目ですから「布施波羅蜜」を行ずる日でした。布施をするということは何もとんでもない大きな事をせずともいいのです。「笑顔で挨拶をする。おはようごいざいます。お休みなさい。いただくときも、さし上げるときも、ありがとうございます。こんにちは。いただきます。ごちそうさま。行ってらっしゃ。お帰りなさい」。等々が布施行にかなっているのです。
明るく笑顔で上の言葉を発して嫌がる人はいません、挨拶された人はきっと清々しい一日、そしてゆったりとした気持ちで一日を終えることで明日への活力となるでしょう。
これらを誠意を込めて発しますと、自然言葉の意味する行動となってくるのが不思議といいますか、ありがたい結果となって現れるのが又嬉しいことです。言葉は「言(かた)ること、話し合うこと、言葉(言魂(ことだま)・魂)を交わすこと」です。出会いの瞬間の挨拶(言葉)で人生を大きく左右する「一期一会」です。言葉を誠心誠意発する人とは語り合い、行動を共にしたくなってしまうのが人情です。意気投合してしまう。
語り合い意気投合すれば「夢に向かっての行動となる。共にする同士となる」。私たちは自分の大切な「心」が言葉・行動に「投影(とうえい)」されていることを気づかねばなりません。
この事実を大事にしましょう。心・気持ちを伝え訴えるのに言葉が最も手っ取り早いのです。だからこそ、「言葉=行動、言行一致が大事」です。
身近でできることの「成功体験を積み重ね」、成功の「ルーティンワーク」をつくる「シンプルな意識と行動が大切」です。シンプルな挨拶を明るくするからこそ目の前の人は応えてくれるのです。この明快な成功体験がとんでもない成功への彼岸に導くのです。
最初は誰でも言行一致は難しい、難しいからこそ身近なことから誠心誠意の心を以て言葉を発することです。そうすることが「言行一致となっていく」のです。自身の意識が「強い行動意欲となる」のです。今日は「持戒波羅蜜」を行ずる日です。持戒の話は明日にします。
昨日布施行を意識しておられなかった方は今日行ってください。きっと言霊、こだまとなり、良い反響となって反ってきますよ。こだまですから、その逆もあることを確かにして大切に言葉を使うことです。
今日は心して言葉を発し、周りの人が豊かで気持ちがよくなるような一日としましょう。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌