本当に心配すること

おはようございます。

一昨日、日本板硝子・NJC会「平成28年度入社・新入社員研修」30名の方が入山されましたが今日お昼から下山です。新人の皆さんは寺での生活は初めての経験ばかりで途惑うばかりでしょう。しかし、皆さんとても素直に受講くださっていますので、その姿勢に感動しています。
「心の話し」をいろいろさせていただいています。「心の在り方」「自分の心の表現の仕方」です。「体(たい)は心(しん)を表す」などといいます。言葉や行動にその人の「心が現れる」のです。話しの中で「心配、心を配る」とは、どのようなことなのかという話しもさせていただいています。
社会に出て、新人の皆様がこのような悩みを相談しに来られる方が結構おられます。「会社、上司の方は私のことを分かってくれません、理解してくれません」という相談です。
これは結構無理のある相談でもあります。なぜかといいますと、「わからない、理解できないのが現実だから」です。
会社に入って、「直ぐできること、得意と思っていることをやらせてもらえる、という安易な考えは捨てるべきです」。いくら履歴書に学んだことを書いてはいても、それを「確かにやれるのか、どうかは本人にも、上司の方にも分からない」のです。
指示されたことを直ぐやれる方も中にはいるでしょう。しかし初めてやることです。「できにくい、やりにくい、できない」ことは、ある意味当然なのです。その「苦しみを乗り越えてこそ、できるようになる」のです。これまでだって、やり始めのことが直ぐにはできなかったことを経験しているはずです。「そのことを思い出すこと」です。何度かやって繰り返すことで少しずつ上達するのです。最初から上手くスムーズになど行くはずはないのです。
このようなことを体験していながらも、社会人となりますと、「評価されたいという気持ちが強くなり、過去の経験を忘れてしまう」のです。そして「理解してくれない」という安易な答えになってしまい、せっかくの出会いのチャンスを生かせないようでは、長い人生にはよろしくありません。最初に乗り越える「習慣を身につける、経験を積むことが、これから先の人生を豊にしていく」のです。
困難であればあるほど乗り越えれば「快感となる」のです。この「快・悦びの心を作ること、体に覚えさせることが人生では大事です」。「快・悦」を心身が一度味わいますと「モチベーションが落ちなくなる」からです。
「正しい心配、心を配る」ということはどういうことかを論語、学而(がくじ)第1、16条にはあります。「子曰わく、人の己を知らざることを患(うれ)えず、人を知らざることを患(うれ)う。」。意は「自分をわかってもらえないと嘆(なげ)くより、人を理解していないことを気にかけなさい」。
これは「何を本当に心配するべきか」を教えています。孔子は「(相手が自分のことをわかってくれない)と心配するよりも、(自分が相手を理解していないこと)を心配しなさい」と言っているのです。
昨日も書いていますが、人は「相手に評価してほしい、知ってほしい」と「自分の評価を求める欲求が強くあります」。これは自分も同じです。この「心理を知ること」です。新人の方でも、上司の方でも「自分を理解してくれない」と感じているのです。
私たちは「存在承認欲求(そんざいしょうにんよっきゅう)」が非常に強いのです。だからこそ「自分を後にして、人を先にする」ことが「対人関係には大切で有効」なのです。伝教大師の唱えます「己を忘れて他を利する」精神が人様との「信頼関係を厚く結ぶ」のです。
自分を理解してくれないという心配は、「相手次第、相手によって変わります」、対象が変わるため、不安定なのです。Aさんは受け入れてくれたがBさんは受け入れてくれなかったといった具合です。以前の対人関係で上手く行ったとしても、今回は?、となるケースもあるのです。「上手く行ったのは、相手が受け入れてくれたからだったのです」。そのことに気づかずにいますと「理解してくれない」となるのです。
故に、「自分が相手をわかっているか?」あるいは「自分の力が足りているか」に「焦点を当てて心配をした方が、心が折れず、モチベーションを高められる」のです。
そのためにも先ず先輩上司の言葉を受け入れ、分からなければ「尋ねればいい」のです。「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」といいます。聞かず、問うこともせずに、「分かってくれない、理解してくれない」と悩むよりは、「相手の懐(ふところ)に飛び込んで教えてもらう方が、信頼を逆に厚くできる」のです。それは誰にでもある「存在承認欲求を満足させるから」です。
心を配るとは、人の為に計ることです。自分の心配をすることではなかったのです。皆さん人様を先にしましょう。順序をしっかりと知りましょう。原理を確かにするだけで人間関係が豊になり、チャンスの扉が大きく開かれるのです。
明日は心華寺「水子供養祭」です。午前10時に奉修いたします。「水子供養」をいたしますと、不思議と豊に繁栄がなるのです。供養するという優しさが良い縁を引き寄せるのです。おまいりください。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
昨日の観音様の桜の光背、葉が少しずつ目立ってきています。



散れば他を引き立てる、美とは、このようであるべきなのかも知れません。









Iさんが「水掛辯財天」様と「ローソク立て」のお掃除にきてくださいました。Iさんありがとうございます。毎週感謝いたします。皆さん気持ちよくおまいりできますと感謝しております。