自治生活

おはようございます。

5月も後半に入ります。じっくりと歩みを進めましょう、急がば回れです。余り先を急ぎますと良い結果が出ないのが相場です。イヤなことに遭遇したときも、同じようなことが言えます。イヤなことに出遭いますと直ぐに避けたいと思ってしまう、避けたいと思うのは良いのですが、少しの辛抱は何事をするにも大事です。イヤだと思ったことに遭遇して避け、逃げたからといって、「イヤだと思う心は無くなりません」、だから「受け止める精神を養う必要性があるのです」。
今日、失ってしまった大切なことの一つ、家々にあったよい「風俗(衣食住など日常生活上のしきたり)、精神がなくなったこと」です。
「家庭の中に当然なければならない信仰や私たちの先祖が持っていた躾(しつけ)、礼節、家風、家憲(かけん・その家族や子孫が守るべきおきて。一家の決まり)、家訓(守るべきものとしてその家に伝わる戒めや教え)」が抜けてしまったことです。
家庭は「自治生活の世界だという大切な意識を失っている」、地域や国は家庭の自治意識が失われますと、どんどんと力を失って乱れてくるのです。皆さんの家は「文化」をお持ちでしょうか?、ただ都合で一緒に住んでいるだけではいけません。
※文化「 社会(家庭)を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式」。
私たちは自分の文化を大切にできてこそ、人様の個々の文化を大切にできるのです。今日の社会の文化の乱れは、家庭の中での文化の乱れが一つの原因であることは否めません。
寺には寺の自治生活文化があります。世間様に通用する部分としない部分がありますが、基本的な対人関係を結ぶにはとても大切で普遍性があります。ですから寺で修学生活を数年送った青少年は見事に社会と融和し成功を為すのです。
あらゆる文化は日常の自治生活から遊離していますと力がないのです。それは、日常生活の中に、教えられない、教えてもらえない、生活の中での「躾(しつけ)」が無意識の行動の中で精神が養われる生活を家族全員で行っているか否かなのです。
精神力は日常の生活の中でしか養われないのです。行住坐臥(ぎょうじゅうざが)の最も多いのが家です。その家庭生活の中で、家訓、守るべき文化がなければ、外の世界での異文化に従うことなど到底無理な話なのです。外の世界をいくら頭で理解ができても、身体を通して表現しなければならないのが仕事や対人関係です。いわゆる初めてのことをできるようになるのは精神力です。
文化は体で覚え、伝えることだからです。理屈ではないのです。いくら行住坐臥の大事を頭の中にプリントしたとしても、物を持てば重いし、歩けば疲れますし、坐れば足がしびれます。横になれば楽かといえば、長いこと同じ姿勢を保つことなど、できるはずもないのです。このようなことすら、体を通しての躾が家庭生活の中で行われていなのですから、人様の言うことなど聞くはずもなく「しんどいのひと言で済ましてしまう」のです。
じっくりと今週は家と自分自身にどれほど真の文化が生きているかを冷静に考えてみてはいかがでしょうか?。私たちの先祖、先人に何故に偉大な人が多く輩出したのかを、先人の生活を通して考えてみてはいかがでしょうか?。
明日は「にんげん学」大阪講座「老子を読む」です。老子は「大道廃(すた)れて仁義あり」と喝破しました。仁義を説かなければならない悲しさ。人間も修養しなければならないのだとか、仁義云々とか私のように言っていることが廃れたからだと、だから心身の病人が増えるのだと、心身を病まず、健康生活をするため日常の生活の中から精神を黙って養える自治家庭生活にめざめるべきではないでしょうか。そのために明日はご一緒に学んでください。学びの前に「ぶら和尚」があります。素晴らしい一週間をお過ごしください。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
私たちは熊本・大分地震の復興支援を応援します。ボランティアの皆さんご苦労様です。お気をつけてご支援ください。ありがとうございます。
一昨日の夕景です。




昨日の朝焼けです。