怨みをもたれないように

おはようございます。

「にんげん学」大阪講座「老子を読む」ご出席の皆さんありがとうございます。老子79章、老子は人間の業、心を直視しながら、怨みや憎しみからどう抜け出れば良いのか、そして怨みや怒りを生じさせないために、どう在ればいいのかを優しく適切に説いています。
怒りや怨みは人間の成長をストップさせ、未来に希望を持てず、過去にさまよう人生をもたらします。それは良くないよ、と諭します。4月は11日です。老子も後2章を残すだけとなりました。来月もご一緒に学びましょう。
今日は「老子第79章」の読み下しと訳文を読んで味わってください。 
「大怨(たいえん)を和(わ)すれば、必ず余怨(よえん)有り。安(いずく)んぞ以て善と為(な)すべけんや。是(ここ)を以て聖人は、左契(さけい)を執(と)りて、而(しか)も人を責(せ)めず。徳有(とくあ)るものは契(けい)を司(つかさど)り、徳無きものは徹(てつ)を司る。天道は親(しん)無し、常に善人に与(くみ)す。」。
訳、「深刻な怨(うら)みごとを和解させると、必ず怨(うら)みはなおあとまで残るものだ。どうしてそれを善いことだと言えようか。それゆえ聖人は、怨みごとを起こさないように割符(わりふ)の左半分を握っているだけで、人に督促(とくそく)して取り立てようとしたりはしない。恵み深いのは割符の管理者、薄情(はくじよう)なのは税の取り立て人と言われる。天の道ー自然のはこびかたーにはえこひいきはない。いつでも善人の身方(みかた)だ。」。
この教えは、人のはからいは、どんなにりっぱな処置でも必ず落ち度があり、自然のはこびかたの公平なのには及ばないというのです。争いごとの調停和解は人の世の常としてよくあることです。
深刻な怨恨(えんこん)ざたになると、始末が悪い。たとえ、うまく裁判で和解に成功したところで、しこりは必ず後に残ります。大切なことは、そんな事件を起こさないようにすることだと教えます。読めば、なるほどと思いますが、争いを起こさないために「心学」の大切さがここにあるのです。
老子は、だから割符(自然の計らい)を使って、人情を離れたやりかたで合理的な処置をとる。それが、客観的で公平無私の「天道」のありかたに合致することになる生き方をするのだというのです。
「天道は親(しん)なし、常に善人に与(くみ)す」、これも有名な諺(ことわざ)になっています。「親」は親しみ、ここでは偏(かたよ)った親愛で、えこひいきのことを指します。「与(くみ)す」は賛成して仲間となる意味で、善人に身方すること。天道ははたしてほんとうに善人の身方なのでしょうか。自然界の動きというのは非情なものです、善人も不善人も区別なくうちのめすときがあります。もうすぐ3月11日となりますが、先の震災では神も仏ないのかと、誰しもが思ったことでしょう。
えこひいきのないのはそうだとしても、「善人に与(くみ)す」と言えるのだろうか。老子は然(しか)りと答えます。それは老子の信条であった。「天網恢々(てんもうかいかい)、疎(そ)にして失(しっ)せず」(第73章)、自然の営みはおおまかであっても、結局は微小なものも逃さない。天道はお見通し、時に善人の不遇なことがあっても、「有余を損じて不足を補い(善人が何か不足したならば必ず補う)」(第77章)、長い年月のあいだには善人の身方であることが証明されるというのです。
老子はなぜそれを信ずるのか。それは、人の世のあまりの汚(きたな)さ醜(みにく)さのゆえであります。「大怨(たいえん)を和すれば」というのは、争いごとが多くて怨恨(えんこん)のうずまく現実がその背景にあったからです。すべて、人のさかしらの知恵と欲望がひき起こしたものだから。世間知を知れば賢いという価値観を捨て、無知になり無欲になって自然にかえること、つまりは「天道」に合致することが、やがて根源者としての「道」との合一へと続く道程である、と教えます。どんなに、矛盾を感じるときがあっても「道を捨てるな」と、必ず「天は善人に与す」のだと。
老子の説くように暮らしたとしても、逆恨みに遭ったり、争いが生じたりすることはあります、そのときは「負けるが勝ち」だぞというのです。勝ち負けに心が奪われて安心の人生を捨てるような愚かな生き方をせず、負けて広く大きなゆったりとした道を歩みなさいと教えます。怨んで成長進化をストップさせるような愚かな生き方を止めよと教えます。
今日も楽しく修練をしましょう。自己修練をしていれば、競争心など起きないのです。背伸びしようなどとも思わないのです。楽しい未来をイメージして歩むのです、そのように在れば、「類は友を呼ぶ」切磋琢磨する豊かな出会いを多くします。良い一日をお過ごしください。
今日は、NPOこころのはな「子ども食堂」開店日です。午後4時〜7時迄です。予約のお電話を入れてください。0774-45-5561迄お願いいたします。幼児・小学生は無料。中学生以上保護者の方は300円ちょうだいします。皆様のお力で必要とされています皆さんにお知らせください。よろしくお願いいたします。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
☆「にんげん学」大阪講座ご出席の皆さんありがとうございます。
会場に行きます電車の中からの夕日。

会場の窓から見える夕日。

大阪のKさんは体調不良でご出席ではありませんでしたが、皆様へのサンドイッチを差し入れてくださいました、ありがとうございます。伊丹「寶樹庵」のYさん毎月美味しい生菓子ありがとうございます。「生麩まんじゅう。わらび餅。酒まんじゅう」美味しくちょうだいしました。大阪のTさんお花をありがとうございます。

懇親会です。皆さん遅くまでありがとうございます。