秋霜をもって

おはようございます。

 11月霜月、今月もよろしくお願いいたします。11月の予定の冒頭にも引用させていただきましたが、佐藤一齋先生の「春風(しゅんぷう)をもって人に接し、秋霜(しゅうそう)をもって自らをつつしむ」(言志後録。げんしこうろく)。
 人間は、自分に優しく、人に厳しいものです。その反対を佐藤一斎先生が指摘しています。
 春の風のように暖かい気持ちをもって人に接し、秋の霜のように厳しく自分を見つめよ。嫌な仕事でも同じことです。自分がいやな仕事も誰かはしなければならないと思って取り組む、そういう仕事こそ自分の成長につながります。前向きに接することです。春風を持って人に接することができる人は「人間力が高い」。「さわやかな」人だと言われる人は、こういう付き合い方ができる人ではないでしょうか。
 また、「秋霜をもって自らをつつしむ」ことのできる人間は、「度量の広い人」「目的意識の強い人」です。
 昨日の聖徳太子の教えではありませんが、私が良いと言えば、人様はよろしくないという方も大勢いるのです。いろいろな価値観の方がおられるわけですから、自分を鍛えるしかないのです。だからこそ、事上磨錬の覚悟です。悉く衝突する人もいるのが世間、しかしこの意見の違う人が「鍛えてくれるのも事実なのです」。「くそ〜と思う気概がわいてくるのは、障害に出会ってこそです」。
 同じ後録に「心の役目は、思うということである。思うということは、人としての道を行うことについて、いろいろ思い考えることである。考えれば、行う道について、ますます鮮明になり、いよいよ誠実に取り組むことになる。
 その誠実に取り組むことから、「行」といい、その精通からして「知」という。そこで、知も行もつまりは「思」の字に帰着する」。
 一斎先生は上の「思う」について王陽明の「知行合一」を説いたものです。「春風(しゅんぷう)をもって人に接し、秋霜(しゅうそう)をもって自らをつつしむ」も同様です。「知りて行うこと能わざるは、只だ是れ知り得ること浅し」という言葉があります。「知識がありながら実行できないのは、持っている知識が不足しているからだ」という意味です。
 知識不足で自信がないから、笑顔が出ない、自信がないから反省できず、試練を試練と受けとめられず、仕事ができなかったときには「相手を云々して言い訳をする」。
 実践の場で己が高められる。事上磨錬できることを思う11月にしましょう。思わぬ結果が出たとき心から「ありがとうございます」を言えるようにしましょう。
 自分の私欲に勝つ工夫は、ほんの一瞬の間にあります。老子は「人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し」と。人様に勝つのは力だけですが、自分に勝つ者は真の強者なのです。 今夜は「にんげん学」一宮講座「新・論語を読む」。明晩は東京講座「老子を読む」です。一宮、東京共に楽しみにでかけます。会場でお目にかかりましょう。
今日から心華寺・副住職・誠澄が21日間の「懺悔練行」に入りました。心華寺から京都・山科・醍醐寺までの往復の社寺を巡拝しての「六根懺悔33?の行」です。12月2日に行います「がん・中風・ぼけ封じ大根焚き」の前行です。六根を清浄にして皆様の「心身健康を祈る行」です。是非「特別祈祷」をお申し込みください。行者・誠澄が代わって皆様の病苦を取り除き、守護神をお授け致します、ご祈願ください。
 今月もよろしくお願いいたします。
 
世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
☆「仕事運が良くなる」日々の四つの実践徳目:慈悲の心を持つ(思いやりは勇気)・質素倹約(物心両面のゆとりがなければ心貧しくなる)・謙虚な心(争いを生まない)・一隅を照らす(ポストにベスト)。 合掌
※どのようなことでもご相談下さい。電話:0774-44-5380。メールbonsan01@wao.or.jp 相談する勇気が幸運の扉をノックします。