花は半開を看る

おはようございます。

昨日は穏やかな一日で、研修もなく近所のお宅にお払いに出かけたり、本に揮毫をしたりと普段の一日、しかしこのようなときが一番あれやこれやと考えるときでもあります。
一昨日研修生を見送りあわただしく定期検診のため病院へ、遅い診察時間だったためかえって待ち時間が少なくスムーズに診察が出来、いつもですと三時間はかかるのですが以外と早く終わったので、JR桃山駅桃山御陵のある駅、桓武天皇明治天皇陵があるところ)で途中下車、近鉄桃山駅近くの京料理で有名な老舗料亭「魚三楼」に一度行ってみたいと思っておりましたので、思わぬ時間が出来たので行ってみました。
これがどんぴしゃり、美味しい料理を堪能してきました。
「花は半開を看(み)、酒は微酔に飲む。」(菜根譚)。
花を観賞するなら五分咲きの頃、酒を飲むならほろ酔い機嫌のあたりでやめておく。よっぱらってヘドを吐くような飲み方は最低だということです。
古い歴史在る老舗の料亭ですので一見さんお断りかと心配して暖簾をくぐって入ったのですが、暖簾を分けて入りびっくり、玄関でお客を出迎える仕事をしておられる方が、何と信者さん、定年後再就職で来ているという話でした。
悪いことは出来ません、天網恢々疎にして漏らさず。
大歓迎をしていただき、座敷の用意が出来るまで数分待って部屋に入りました。床の間の掛け軸と生花、欄間の額も見事、座敷から眺める坪庭もあっさりとした風情。
しかしそれ以上に料理が最高、一度行ってみたいという思いを裏切らなかった味。
しかし一番は信者さんがお勤めされていたためか、美味しい料理がほどよい量、それに気をよくして心地よく般若湯をいただきました。
先の「花は半開を看(み)、酒は微酔に飲む」の後に「盈満(えいまん)を履(ふ)む者は、よろしくこれを思うべし」とあります。
満ち足りた境遇にある人は、このことをよく考えてほしいというのです。つまりこの一句は、花の見方や酒の飲み方を語りながら、じつは人生の生き方を説こうとしているのです。
何でも思い通りになる満ち足りた境遇は、往々にして人をダメにするのです。傲慢になったり、変に意固地になったりして、かえって人から嫌われたり失敗をすることとなるからです。
むろん、したいことも十分にできないような、あまりにも不自由な境遇でも困りますが、ホドホドが良いと言うことです。恵まれた人でも、一つや二つ思い通りにならないことをかかえていた方が良いのかもしれません。
一昨日は研修も終わり診察もスムーズに行き、ほっとして老舗の料亭で美味しいものを味わいたいと思って行ったところ信者さんにお会いして「程を忘れないように」してくれたのだと、ご本尊様に感謝しました。
今日は日曜、半月の反省を静かにしてみるのも一興かもしれません。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌