愛別離苦

おはようございます。

この世は無常であります。無常であるが故に明日への希望もわいてくるのです。しかし逆に無常なるが故に別れもあるのです。
人生悲喜交々とはよく言ったものであります。
良いことばかりが長く続くこともなく、悪いことばかりが続くこともありません。しかし別れはどんな別れでも悲しくない別れはありません。このときほど無常を感じることはないのであります。
仕事柄いろいろな方の別れの場面に遭遇します、どれも悲しい限りです。別れは定めであったとしても大きな哀しみ、痛みです。
昨日は良き友であり、信者さんでもありましたKさんの一周忌法要でした。想い出を沢山残し、あっという間に西方極楽世界に旅立って行かれました。
愛別離苦」。
四苦八苦の中に愛別離苦(あいべつりく)があります。「出会った者は別れなければならない、離れなければならない、会者定離(えしゃじょうり)」という苦です。
定めは万人の上に在り、理とはこういったものでもあります。このことは私たちに「何を教え示してくれている」のでしょうか。
「誠心誠意付き合いなさい」と教えているのです。
出会いは或る「一部分で出会い」をするのです。自分が持っている全ての能力で出会っているわけではないのです。そして「徐々に少しずつ理解を深め合い」その「領域を広めていく」のです。
このことを確かにしなければなりません。
相手から求められているもの、相手に求めるものを「確かにする」ことが誠心誠意であって肝要なことです。
あれもこれもと「求めてはならない」ということです。言葉を換えれば「甘えない、礼節を尽くす」ということです。
「一つのことで出会いが始まったことを忘れない」ことです。
人は必ず別れが待っています。ですから「あぁ良い人と出会えた」という感謝の思いとするためにも「多くを求めず」、「出来ることで誠心誠意お付き合いを重ねる」ことが大事となるのです。
出来ることを重ねていくことで「出来ることが多くなる」のです。
縁、出会いを大切にしなければとの思いを昨日の法要で一層強く思うところでした。
来月5月15日は「心に華を咲かそう会」本部主催、第10回「盲導犬育成」チャリティゴルフコンペを開催いたしますが、そのきっかけを作ってくださったのがKさんだったのです。
51才の時、Kさんが「和尚、その年でゴルフくらいやっても罰が当たらないだろう」といってすすめてくれたのがきっかけでした。それも何年も信者としてお参りいただいてからの話です。
その一言がなければチャリティゴルフコンペを開催するなどということすら考えなかったことでしょう。それから本部では今年で10回、中部地区では8回と回を重ねることができたのです。
別れは必定、利害の衝突でけんか別れをしたり、言葉の行き違いで別れをしたりとすることなく、「初心忘るべからず」で、出会ったときのことを回を重ねる毎に感謝してこそ永いお付き合いが可能となり、素晴らしい「人生の道ずれとする人を多くする」のです。
新しい週の始まりです、誠心誠意お付き合いを致しましょう。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌