足るを知れば富む

おはようございます。

真っ青な五月の空もさわやかで気持ちがいいですが、折々に曇りの日があるというのも心が落ち着いてなかなかいいものです。今朝は昨夜からの雨が未だ落ちています。
陰陽、上下、左右、有無、寒暖、生滅といった具合に、このバランスがとれてこそ何事も存在継続し、幸せ、幸福感、充実感はあるのです。
物があっても幸福感、充実感がないというのは、いわゆる心が幸せを感じていない、充実していないと云うことでもあります。
では心だけが充実していればそれで良いのかと云えば、これまた難しい問題です、やはり物心両面のバランスが大事なのでしょう。
「足るを知る者は富む」(老子三十三章)。
「人を知るものは智なり、自ら知るものは明なり。人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富み、強(つと)めて行う者は志(し)有り。其の所を失わざる者は久し、死して失わざる者は寿(いのちなが)し。」
意は「他人のことをよく知る者は知恵ある人で、(それよりも)自分のことをよく知る者こそ賢明な人です。人と争って勝つ人はたしかに力がありますが、(それよりも)自分に勝つ人こそほんとうに強い人です。これでよしと満足することを知る人はほんとうに豊かな人で、努力して正しい事をする人は意志の強固な人です。(しかし)自分の立場を心得ていてそれを見失うことのない人は久しく生きたことになり、たとえ死んでも自分の立場を失わない人は長生きしたことになります。」。
外部の世界は無限です。それに目を向けて憧れるのが人生でもありますが、「しかし少し待てよ」、というのが老子です。
まず内なる自己を見つめよ、と説くのです。
それは、まず今日、自分に与えられた状況に満足することだよ、ということです。そのことに満足することが「真の豊かさだよ」いっているのです。
満足することなく、足りない、足りないで事を行うのではなく、満足して「足るを知る」ことで富むこととなるというのです。
満足もなく、もっともっとという欲にかられていけば「辱められる」ような結果を招くだけとなり、心にも物質的にも充実感、幸福感も無く常に不安定な人生と為すのです。
勝つことにばかり終始して、それで自分を見失っては何の意味もなさないのが人生です。それよりもバランスよく、足るを知り、自分を見失わず、自分らしい生き方をしてこそ真実の富であり、長寿なのだと老子はいうのです。また死んだとき自分らしい生き方をしたことで、これこそ長生きをしたというのだ、というのです。
今夜は「にんげん学」一宮講座、明日は東京講座、自分を見失うことのない学びを致しましょう。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌