苦しさを経て

おはようございます。

蝉の声も少なくなり、朝夕には虫の音が心を静めてくれます。音はいろいろな音がありますが大概のものは好きです、最初うるさいなと感じた音も聴き続けますと自然と一体になるからです。
自然の音や虫の音には感情を入れずに無心に聴くからかもしれません。人間の感情の不思議さでしょうか、こう考えますと日常の喧噪の中でも無心に心地よく聴ける自分がいるのかもしれません。
「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」。
これは芭蕉の句です、私の故郷山形の山寺、立石寺参詣のおり、石段を登った時に詠んだとされています。
長い旅をして山寺の長い石段を登り夏のことで暑さと疲れにあえいで登っていたのでしょう。心身ともにつかれながら登る、途中でやめるわけにも行かない旅、力を込めて芭蕉は登ったに違いありません。
疲れ果て疲れ果てた中での無心、必死になるしかない息も絶え絶え、
その中で「閑かさや」と詠んだのでしょう。
私たちは人間として成長していく過程にはどうしようもないという現実、状況の中にあっての「無心」という「心の静けさ」を感じ取ることも大事です。
困難な状況にあっていろいろな音に惑わされているようであっては無心に仕事が出来ていないのです。無心に仕事が出来ていないからこそ困難な状況を作ってしまっているのかもしれません。
大きく成長していくためには、平穏で楽しい日々だけではなく、苦しみも必要なのです。時に周囲の音がただうるさく感じるようであってはならないのです。
いろいろな音が自分を深め高め、無心の境地に誘うものだという境地に目覚めてください。
「一鳥鳴山更幽(いっちょうないてやまさらにゆう)」という五言絶句もあります。
苦しみも私たちを深め高めてくれるものなのです。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌