差別世界に生きない

おはようございます。

お陰様で今年も無事一年を終えることが出来そうであります。一重に仏天のお加護と皆様のご理解があったればこそと感謝いたしております。
「大小、多少、細太、貧富の差別世界に生きない」。
有形無形のお力、本当にお陰様です。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の話ですが、ある泥坊が一匹の蜘蛛を助けた「善行」、善行を本人は忘れてはいても、善行は失われません。死んで後、因果応報で血の池地獄に堕ちたのですが、極楽から蜘蛛の糸を御仏は垂らして泥坊を助け上げようとしました。
泥坊が蜘蛛の糸に気づき、糸に伝って極楽へ登り始めたのです。ところが悲しいかな、地獄に堕ちるのは「我欲で生きた結果」。御仏は大きなお心、大慈大悲で助け上げようとしているのですが、いかんせん、相手は「我欲の固まり」です。
登り始めて下を見れば、他の地獄に堕ちた悪人達も蜘蛛の糸を伝って登ってきています。細い、細い蜘蛛の糸、我欲に生きた人間は「大小、多少、細太、貧富」の「我利我利亡者(がりがりもうじゃ)」で差別世界に生きたからこそ満足を知らず「貧しくなった」のです。
細い糸が切れては自分は助からないと、「一人助かることだけを考え」、下の者を「足蹴にしました」、その途端に「蜘蛛の糸が自分の頭の上で切れた」のです。そしてあっという間に「血の池地獄に真っ逆さまに再び堕ちたのです」。
善行に「大小も、多少も、細太、貧富も無い」のです。私たちの迷いはこの差別世界から生じるのです。蜘蛛の糸は細くとも切れず、善行は失われないのです。失うのは「我利に走るから」なのです。一人だけ助かればよい、自分だけの望みが叶えばよい等々です。
私たちは考えもつかない「陰徳、お陰様によって」助け、導かれています。
この思いを至せば、人様も「大小、多少、細太、貧富の姿をあなたに見ない」のです。
多くの人に支えられてあるのが私たち、「人がいなければ何も得ることが出来ない」のです。せっかくの縁、出会いです。大切な人様に「我利で不足を思う愚かな人生としないように」しなければいけません。
天の宝庫に私たちの善行は蓄積されていきます。どのようなことが善行か否かを考えるのではなく、無心にお陰を思い、目の前の人に精一杯の力で尽くすことです。
今夜午後11時半から除夜祈願を修し一年の懺悔を致しお礼を捧げ、新年の初護摩を修し新玉の神々をお迎えします。どうぞお参り下さい。
一年本当にありがとうございました。皆様にとって来る年がより一層のご繁栄、ご安泰の年でありますよう心よりお祈り申し上げます。
新年の2日(土)は心華寺「月例・幸福開運護摩初祈願祭」(毎月第一日曜日に行っている法要、正月だけは例年2日となっています。)。どうぞご家族で新年を寿ぎお祈り下さい。一年のご守護が得られるでありましょう。
法要後は梅谷忠洋先生率います「梅組」奉納コンサートがあります。有難いお勤めと、楽しいコンサート、そして健康開運の「お供養」があります。楽しい一歩で来年もスタートしましょう。楽しく充実した一年を、お待ち申し上げております。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌