譲る

おはようございます。

夜明けが少し早くなり、日没が遅くなってきました。早く明るくなるということは希望がわき出すような気持ちがしてきます。
昨日は今年初めての「定期検診」で病院へ、持病も一病息災よろしく「病むときには病むことがよろしき候」と良寛さんが詩っておりますが、良寛さんの如くの心境にはほど遠いですが、良寛さんの心境に近づくように日々を過ごしております。
「難事には譲る心で対処する」。
「人情は反覆(はんぷく)し、世路(せろ)は崎嶇(きく)たり。行くに去(さ)けざる処(ところ)は、須(すべから)く一歩を退(しりぞ)くの法を知るべし。行くに去(ゆ)き得る処は、務めて三分を譲るの功を加えよ。」(菜根譚・三十五条)。
意は「人の心は時々刻々と変わりやすく、人生の行路はほんとうにけわしい。そこで、行こうとして行くことができない時には、まず自分のほうから一歩を退くというやり方を知らなければいけない。
また、行こうとすれば行けるところでも、そのまま自分だけの思い通りに行ってしまわないで、なるべく三分は人にゆずる方法を考えなさい。」。
先人の言葉というのは全く当を得た箴言(しんげん)、ハッとさせられて気づきを与えてくれるありがたい言葉です。
人は「進退」を確かにしなければ難事をむかえたとき災難はより一層困難な事態となるのです。菜根譚は難事の対処を述べているのですが、ここで説いていることは、難事にならないように「進退の要を」説いているのです。
失敗や難事を招くのは「自らの行為が原因であり」、問題が生じるのは「すべて対人関係にある」事を知るべきです。
楽天も太行路に「行路難は水に在らず、山に在らず、ただ人情反復の間にあり」と言っており、また王維の詩にも「人情翻復して波瀾に似たり」とあり、人の情けを知らずに己の欲望を達せんとだけ歩んでおれば、自らを破滅に導くこととなるのです。
難事を引き起こさないように又難事に遭遇したときにすべからく「譲る」ことが大事なのです、「急がば回れ」です。
人様とのお付き合いを「功利」を以て行い、「勝ち負け、損得」で己一人のことしか考えずに在れば、畢竟(ひっきょう)多くの人に否定される結末を招くのです。
謙譲(けんじょう)は「美徳」であり、己自身の「徳を磨き上げていく」のです。徳を磨き、徳を以て在れば日々安心して楽しい人生を送ることができるのです。このことが一番の至福でもあるのです。
謙譲の心で人様に接することが出来る人は「確かな目標を持っている」から出来ることでもあるのです。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌