心は転ずる

おはようございます。

暑ければ暑い、寒ければ寒いと愚痴る、人間とは何と傲慢な生きものでしょう。則天去私と昨日書きながら悟りきれない自分が怨めしくなる暑さです。
しかしこの暑さの中でも窓から入ってくる風が爽やかで心地よく感じるのも幸せではあります。一喜一憂する自分を味わいながら、護摩の炎の熱さは皆さんの迷いを滅する炎であり、その上皆さんの大願の成就することを思えば流れ出る汗も心地よく感じるのがありがたいことです。
人間はいろいろな思いをしながらも嫌なことにも楽しすぎることにも引っかからずに歩むことが大事であり幸せなことであることをかみしめています。
「心は転ずる」。
「心随萬境轉(しんばんきょうにしたがっててんず)」。私たちのいわゆる心・精神は、平常無事な時には、外界の変化や諸条件に即応して、どうやらさほど渋滞せずにはたらいて、転じています。
しかし異常事態が突発したり、心配な事や不愉快な事などが起きますと、じきにそのはたらきが鈍り「心輪(しんりん)」の回転が渋りがちとなるのです。「心は萬境に随って円滑に轉ず」とはいかなくなるのです。また少し反省してみればわかるように、自分の心ながら、この心なかなか自分の思うようにならないものであります。
私たちの修行というものは、この反省の上に立って、自分の心を思うように使いこなせる境涯、心輪の回転を渋滞させる原因である心の錆を取り去って、万縁万境に即応して心が自由円滑に回転する境涯に到達することを目標とするものです。
修行を熱心に継続しさえすれば、誰でもがそこまで到れるものであります。
「心は萬境に随って轉ず」とは、心が萬境に「ひきずられてはたらくということではなく」、外境の変化に主体的に即応して心が円滑にはたらき、その時・その場に即応して適切に「其の心を転じる」ことであり、このように在ることができたら、人生何と楽しく慶快なことでありましょう。
暑い中で己を見失うことのないように千鍛百練の修行を怠らないようにして清浄な境涯に到るようにしたいものです。
6月のご愛読ありがとうございます。明日から7月本格的な夏「にんげん学」東京講座からの始まりです。東京地区の皆さん暑さ以上に心を熱くして明日一日はご一緒に学びましょう。
そして7月3日(日)は「大般若経六百巻転読会大法要」、比叡山延暦寺から6名の大徳がご出仕の上、六百巻の般若経を転読し皆様に般若の風を送り「転禍為福(禍転じて福と為す)」のご利益をお授け致します。年に一度の好機のご法縁に是非与りましょう。
法要後はチャリティ歌謡ショーです。こちらは「関西盲導犬協会」様へのチャリティです。皆様の温かい心をお待ち致しております、厳かな法要と楽しい歌謡ショーをご家族で楽しんで下さい。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌
 私たちは東日本大震災の復興を応援致します。