心性

おはようございます。

一年をふり返りますとやはりいろいろなことが思い返されます。人というもの楽しいことを思い出すことよりも辛かったことを思い出すようです。これは人間の心性の中に「反省しなさいという無意識がある」のでしょう。でなければやはりよろしく無いとも考えます。
何ごとにも対応できる「心地(しんじ)」が私たちにはあるという自覚をして目先の出来事に惑わされとらわれず修練、鍛錬をすることが肝要です。人には進捗の遅速はありますが、早いのが良く、遅いのが悪いのかと言えば甚だ疑問のあるところです。
遅速の欠点と言えば、早い者は侮り、遅い者は僻むところでしょう。この両極を離れれば修養は生涯続けることが出来ます。人間行動が無くなれば「妄想が沸き起こる」のです。行動があればこそ「進捗に悩む」のです。何れにしても行動のない惑いよりは、進捗に悩む方が未だましとも言えます。工夫に迷うのは道を歩む者にとって永遠の世界だからです。止まれば腐るだけです、流水は腐りませんが、流れない水は腐るのが道理です。
「心性(しんしょう)」。
こんな「道歌」があります。
心地諸種を含む
普雨ことごとく皆萌す
とみに華情を悟りおわって
菩提の果おのずから成る
意は「人間本来の心に一切の諸法を含んであることは、地が万物の種を含んでおるようなもの。豊かな雨の降るように仏の説法が下がれば、人の善性はすべて芽をふく。そこでたちまち、華のようにうるわしいわが心の性を悟って、本来の姿に目覚め、至極の成果に自ずと至る。」。
人の心は本来人との対応の理をそなえているのです。相手によって転変するはたらきは、本来の霊機(神業)というもので。すなわちわが身に、自由自在に活発に動くはたらきが、本来そなわっておるのに気づきさえすれば、対人関係の妙は読み取れる。というのです。
私たちは生涯にわたり錬磨し工夫し続けることを失わなければ周囲の動きに惑わされることなく見事に対応ができ、衰勢となるような事に至らないのです。一年をふり返り辛いことがあったとすれば大いに反省すべきです。反省すべき事柄を人や社会の所為にするようであっては衰勢するばかりです。本来の心性に目覚めればどのような事への対応もそう難しいことではないのです。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。 合掌
 私たちは東日本大震災の復興を応援します。