交錯する

おはようございます。

昨日は雨の一日でした、一雨一雨暖かくなっていくのでしょう。屋根を叩く雨音は春を告げる音のようです。自然は過酷でありそれでいて優しくもあります。厳しさを真っ直ぐに受けとめ乗り越えた者に、その優しさに浸ること出来るのです。
厳しさを逃れようとして為すべき事を怠った者には暖かさは更に厳しく感じるのです。寒暖にとらわれているようであっては真実の世界は見えて来ません。
「交錯する」。
「雪寒北嶺梅香南枝」(雪は北嶺に寒く、梅は南枝に香(かんば)し)と読みます。
遠い北の嶺々(みねみね)はまだ雪でまっ白で冷然としていますが、季節の到来は争えないものです。心華寺の庭では早くも梅の花がほころびようとして、かんばしい香りをただよわせています。という早春の実景を詠じたのが先の句です。
この句は大自然の差別実相を歴然と観ぜよという詩でもあるのです。北と南・寒と暖・雪と梅との対置において差別歴然の大自然の相を見て、かつ陰と陽・殺と活・厳と寛とがたがいに交錯し、相即相入(そうそくそうにゆう)しながら展開していく大宇宙の大生命のはたらきを、そこに観じた詩なのです。
この句を味わうとき人欲で苦を逃れようとして逆に招いている愚を恥じてしまいます。相即相入する実相を感じれば遅速はあったとしても必ずや心の花は咲くのだということを再認識させられました。
同じ木の梅花も南枝北枝で開花が異なります。人間は殊更違って当たり前でしょう。少々の遅速で嘆いていては花も咲かず、稔ることもできません。怠らず励むことです。自然は精進する者に暖かくそして厳しいのです。怠け者には暖かくもなく厳しくもなく、寒暖双方を嫌だと感じているのです。避けている者は何も育まれないのです。全ての物は交錯しながら素晴らしい花が咲くのです。交わることがなければ何の誕生もないのです。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。 合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。