身を引く

おはようございます。

桜の花の美しさは咲き始めから散り際の見事さまで堪能します。特に日本人は豪華絢爛に咲いたにもかかわらず散り際に人生の潔さを観たのでしょう。また結果にグジグジせず、さっと引き際を良くする、これは言うことは簡単であっても難しいことです。
未練たらしく後悔していれば先に進むことができません。やはり引き際は大事。又咲いた花は必ず散るものであり、人生を処するに於いて少しの手柄をいつまでも誇ってはいけない事も桜花は教えています。だからこそ毎年私たちは花を楽しむ喜びがあるのです。桜に感謝ですね〜みなさん。
「身を引く」。
「功遂げ身退(みしりぞ)くは天の道なり」(老子)。老子は仕事を成し遂げたら身を引くのが天の道だというのです。桜の花を見ていますとまさしくまさしくその通りと思わざるを得ません。
なぜ身を引くことがよしとされるのでしょう。「今まで築きあげた功績や名声を全うすることができる」からだと老子はいうのです。新人の皆さんにこのようなお話をします。「期待されるより信頼される人間たれ」と。
なぜ身退くことが大事かということです。いつも手柄ばかり考え、地位に恋々としていれば「満杯になった水はすぐにこぼれてしまうように、せっかくの地位まで失ってしまうの」です。手柄や地位に恋々とするような人は「大言を吐くのが相場、己の言葉や成果に潰されるのが必定」です。
この処世を身を以て示したのが漢の劉邦(りゆうほう)に仕えた「軍師の張良(ちようりよう)」です。かれは劉邦に天下を取らせるや、
「いま、わたしは三寸の舌をもって帝王の師となり、一万戸の領地を拝領して列侯につらなっている。これでわたしの役目は終わった。あとは俗世を捨てて仙界に遊びたい」と言って政治の世界から引退し、余生を楽しむことに専念したということです。
張良の生き方をまねるのはむずかしいかもしれません。がしかし、私たちも目標の階段を一段ずつ昇ったときに、「どう在るべきかの覚悟は必要です」。でなければ慢心し辱めの人生と化するかもしれません。桜花を観て故事を思い浮かべた次第です。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。 合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。