祈りの生活

おはようございます。

私は現在65才、いつもしみじみと思います。自分が選んだ道を歩み何一つ世間様のお役に立つことなくこれまで暮らすことができている、このように思うだけで胸がつまり目頭が熱くなってきます。皆様の温かい情けで生きてこれたのだと、御仏は皆様なのだと感謝するばかりです。
「祈りの生活」。
北九州にお住まいの、下関、愛宕寺の信者さんにSさんというご夫妻がおられます。愛宕寺への信心はもちろん、ご夫妻は先祖供養と添え護摩祈願をよくなさいます。愛宕寺の信徒歴は50年超、信念にぶれがありません。
ですから年令はご主人の方は80も半ばを当然のこと過ぎています。篤信の方皆さんに共通していますが素直で童心がいっぱい、そして若々しい。青春とは年令ではないという言葉があります、いつも家族や寺のため人の為イキイキと在るのです。
お子様三人はお二人の薫陶宜しくこれまた篤い信心、お孫さん達も当然に手を合わす。Sさんご家族の繁栄のエネルギーは自身のご先祖様は云うまでもなく、ご実家、ご両親の生家、お世話になったお方、お嫁さんの実家等々、関わりのある方全てのご先祖様方へのご回向を徹底されていることです。
ご先祖様は例えれば「根」であり、両親は「幹」、お子様方は「枝葉」です。この三つどれを取りましても存在、継続はありません。とりわけ根っこを大事にするために幹である両親、枝葉である子供、いわゆる家庭内の「和が大切」です。その和も「ご先祖を本としての和」が大事です。
和が乱れるのはお互いを尊重しなくなるからです。親は子を思うあまりに「言うことを聞いて当たり前」、子供の方は大切に育てられた余りこれまた「言うことを聞いてくれるのが当たり前」、それぞれが「相手を思いやる心を失ってしまう」のです。
お互いが「自分の為に言ってくれているのだ」という尊敬、尊重する気持ちがない。故に正しいことを言っていながら正しい結果とならず、相手を責めて争いとなる。
云ってみればご先祖様は「扇の要」。繁栄し広がっていくのは由としましても要が無くなれば「バラバラ」になりいくら繁栄したとしても徒花(あだばな)。まとまりのない繁栄、家族の協力のない繁栄などでは一層争いが生じるのです。
Sさんご夫妻はお世話になった方の先祖供養を黙って陰徳の業として行っているのが素晴らしいのです。お世話になった人や友人、知人の方が何かで困っていると云うことを風の便りで聞けば添え護摩祈願をなさるのです。
今日があるのは自身の先祖のお蔭、またお仕事をさせていただけるのは仕事先のご先祖様があったお蔭といつもお話しされます。
立場上私はお話をさせていただいているわけですが、信心の何たるかをいつも教えてもらっています。これも御仏が姿を変えて私の目の前に現れてくださるのだとありがたい気持ちで一杯です。
一つの道を歩んで来ていつも感謝することは常に私の前に信者さんが私以上に篤い信仰心を持って歩んでいることへの驚きです。道を歩めば幸せにつながっていると歩み出す人は大勢いますが、この素直な歩みが続けられない人のいることも事実です。
私の感動する多くの人は、いわゆる普通の家庭人、素晴らしい母、素晴らしい父であることが感動です。皆さんありがとうございます。私の前を歩いてくださり沢山の勇気をいただきました。
明晩は「にんげん学」一宮講座、明後日は東京講座です。中部地区、東京地区の皆さん会場でお待ちしております。楽しみにしております。先人の教え「温故知新」、故きを温ねてこそ親、先輩、リーダーとなることを知りましょう。先人を尊ぶ心の無い人間の事業を引き継ぐような後継者は出ては来ません。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。 合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。