外患

おはようございます。

研修を受けていただく一つの狙いは「必要性を感じる・危機管理を体感していただく」ということにあります。私たちは階段を一歩ずつ上ることは良いことですが、一つの目標を達成するためではありません。生涯に於いて使命を果たすために歩むのです。
一昨日入山の100名の新人の皆さんは夕方下山します。下山まで誠心誠意研修に取り組んで下さい。午前中に新たな研修生が20名入山されます。入山されます皆さん気をつけてお出で下さい。
「外患(がいかん)なき者は」。
貞観政要(じようがんせいよう)にこのような話があります。「貞観15年、太宗(たいそう)皇帝が侍臣に謂いました。天下を守ることを難(かた)きや易(やす)きや、と」、侍臣の一人は「甚(はなは)だ難し」と答えました。さらに太宗は「賢者・能者に権限を委譲して政務を行わせ、部下の厳しい忠告を聞き入れればよいのではないかというと」、侍臣は「昔からの帝王を見ますと、困難な時、危機の時には賢者を任用し、部下の忠告も受けいれるものです。しかし安楽な状態になりますと、必ず「寛怠(かんたい)を欲す」すなわち、気がゆるんで楽をしたいと思うものです。安楽な状態に依存してこの「寛怠を欲す」になりますと、直言がうるさくなりますので、臣下もついつい恐れて何もいわなくなります。そうなると、日に月に徐々にすべてが頽勢(たいせい)に向かっていきまして、ついに危亡に至ります。」。と答えたのです。
聖人が「安きに居りて危うきを思う」理由はまさにこのためです。安らかにして、しかも常に警戒する。これは実に困難だというべきでしょう。「歴史から学ぶ」重要性がここにあります。
以前「にんげん学」で孟子を読みました。表題の言葉はその孟子に「敵国外患なき者は、国恒に亡ぶ」とあるものです。「競争なき独占は恒に亡ぶ」と読んでもいいかもしれません。いわゆる生滅の繰り返しを胆に銘じておけということです。
競争は誉めることは出来ませんが、切磋琢磨する意識は高くなければいけません。一人のヒーローが出て何も言えなくなるような「情報遮断」が起きてしまい一流上場会社といえども滅亡の危機に瀕(ひん)するなどと言う現実は日常の中に在る出来事です。
又ワンマン経営の場合も上手く行っているときは良いですが一つ歯車が狂いますと意見を言う、新たな発想をするという気風がありませんので、これまた危亡に陥ることになるのです。
家、国、会社に限らず、一社員でも何も考えず暮らせているから、お給料をいただけるからと安閑としていたのでは、あっという間にダメになりますよといいたいのです。入社し新たな人達と出会い刺激を受けていることでしょう、その出会いから大いに学ぶべきです。
新人の皆さんに限らず外患を思い切磋琢磨する意識を高く強くして亡ぶような事態を招くことの無いよう歩んでほしいと願っています。一歩を踏み出したときから先輩になる、家庭を作る、上司になる、管理職になる、経営者になるという近い未来があります。でありますから「どのような上司像、管理職像、家長像、経営者像を描くのか」が大事であります。
何もイメージしないまま、己を磨き高めることもしないままラッキーな巡り合わせで親になり、上に立ち、義務と責任を果たせないような大人になっていただきたくありません。なぜなら多くの人を不幸に導くからです。どのような人間となるべきかの理想像を持って歩んでいただきたいのです。今日も素晴らしい一日でありますよう。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。 合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。
写真は作務(掃除)の風景、作務は人生の中で重要な物の一つ、作務は務め(仕事)を作る事であるからです。掃除を務め(仕事)として考えられない人は何事も生み出せず、発想も出来ません。仕事がなければたちまちジ、エンド。整理整頓は頭で考え行動で表すのです。だから重要なのです。発想の源泉が作務とも云えます。そしてチームワークゲーム。チームワークはお互いのサポートとフォローが大事です。それが互いのケアーにつながります。これができなければ才能、能力が半減どころかつぶし合いになりかねないのです。