ダメにする欲、伸ばす欲。

おはようございます。

故郷へ帰省されておられる方も多いでしょうね、私も故郷へしばらく帰っていませんので、少し望郷の念にかられています。なかなか故郷へ帰ることができない私ですが、故郷を思うことが好きです。心の中では、どこでも故郷だと強がってはいますが?。
何故思うのが好きかと言いますと、出発点に戻り、よし、という新たな気持ちが湧いてくるからです。故郷を思いますと、大げさな言いようかもしれませんが「意欲が枯れない」のです、枯れない、というよりも「新たにわき上がる」といった方がよいかもしれません。
論語に「人をダメにする欲、伸ばす欲」という話しがあります。何かに意欲を出しても、途中で意欲を枯らしたり、意欲が無くなったりしてしまうのは「欲」だ、と孔子は言うのです。しかし孔子は「欲の存在を認めています」、しかし野放図な欲望を戒めます。
論語、公冶長(こうやちょう)第5、11条「子曰く、吾未(われいま)だ剛者(ごうしゃ)を見ず。或(ある)ひと対(こた)へて曰く、申棖(しんとう)あり。子曰く、棖(とう)や慾(よく)あり。焉(いづく)んぞ剛を得ん。」
意は「ある時、孔子は、自分はまだ剛者を見たことがないが、何とか剛者が世に出ないだろうか、と言うと。ある人が、いや申棖がいます、と答えました。これに対して孔子は、いやいや、彼には欲があるので強さを貫けない、と答えた。」
「幕末の三船」と言われた、勝海舟、山岡鉄船、高橋泥船(でいしゅう)。その高橋泥船は、欲望についてこんな言葉を残しています。「欲深き人の心と降る雪は積もるにつれて道を失う」。いかがです皆さん、思わず「そうだ、正しく」とうなってしまうでしょう、そして感心します。
降る雪をとどめようがないように、深まる欲は抑えつけるすべもないのです。積もった雪は行く道を覆い隠し、欲は人生の道標(みちしるべ)を失わせます。さすが槍の名手、欲望の芯をピタリと刺し貫いています。
欲望とつきあっていくうえでは、心にうずたかく積もらせないことが大切ですが、欲のなかには、先日書きました「意欲」というよい欲もあります。これは大いに鍛え上げるべきです。萎(な)えた心に新たな息吹を吹き込み、甦らせる。そんなときに何より力となるのが意欲です。萎えたとき故郷を思い意欲をかき立てるのです。故郷の思いでは、学校の勉強を苦手にしていたことから、評価されるためではなく自分の為に勉強することを自覚させてくれた思いであります。
強靱な精神に裏打ちされた意欲は、自らの魂を奮い立たせ、すくんでいた足にエネルギーを注ぎ込んでくれます。何があっても前に進まなければならないのが人生。意欲という欲だけは枯渇させてはいけません。そのためには自分を豊にする「志」を大切にすることではないでしょうか。私の枯渇しない意欲の泉は「ポストにベスト」。
時々故郷を思い、志が達成されていない現実でも、思い出すだけで10代の清々しい爽やかな夢を見たときにもどるのです。これだけは無くしたくありません、心の中に在る故郷は私の原点です。日々のご先祖様への感謝、月命日、春秋の彼岸、お盆と先人はこのように故郷を思う縁を作ってくれたことに感謝を思わずにはおられません。今日も意欲一杯に楽しく過ごしましょう。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。
信者さんが鉢植えの「オクラ」を持って来てくれました、見事に成りました。おいしそうですね!いただきます。



昨日の夕景です。