アクセルとブレーキ

おはようございます。

昨日定期検診に今年初めて病院に行ってきました。持病は随分といいのですが、血圧やコレステロール等やはり問題があります。改善しなければいけません。これも生活習慣病のようです。
習慣は大事ですが、悪癖はよろしくありません。生活習慣病と成る原因は「欲」。欲望は人間にとって重要なものではあります。欲望があるからこそ、人間は成長します。文明社会も人間の欲望を原動力に進展してきました。そう考えますと、欲望を持つこと自体は、非常に重要なことです。
しかし一方で、欲に目がくらんでしまうと、悪事に走ることがあります。他人をないがしろにして、自分だけがいい思いをしようと企む場合もあるでしょう。それがある種、世の風潮になりますと、富の奪い合い、仕事の奪い合いがあちこちで頻々と起きるようになります。当然社会の秩序が乱れます。
その意味では、現代社会の荒廃は、人間の欲望が招いたものであると見ることができます。論語、里仁第4、5条に「富と貴きとは、是れ人の欲する所なり。後略」とあります。孔子は富貴ー経済的な豊かさと、社会的地位の高いことを、むしろ重んじていたようです。「人なら誰でもが望むもの」としています。
逆に、その後に続く部分で「貧賤ー暮らしが貧しく、賤しい身分である状態を」、「誰も望みはしない」と明言しています。ただしだから欲望のままにふるまえばいい、とは言っていません。重要なのは、富貴を得る手段を「仁」に置くことだと言っています。それを表したのが続きの語「君子仁(くんしじん)を去りて、悪(いづ)くにか名を成さん。君子は終食(しゆうしよく)の間(あいだ)も仁に違(たが)うこと無く、造次(ぞうじ)にも必ず是(ここ)に於いてし、顚沛(てんぱい)にも必ず是に於いてす。」。
「人として正しいことをしていれば、富貴を得ることはできる。早く貧賤から逃れたいのであれば、道理を大切にして生きなければならない。君子は食事の間も、あわただしい時や火急の時も、如何なる時であろうと、仁に基づいて行動するものだ。つまり、仁がしっかり身についているくらいでないと、富貴は手に入らない。」と強調するのです。
車にたとえて書きますと、わかりやすいかもしれません。車はアクセルを踏むと、加速して、どんどん前に進んで行きます。それはいい気分でしょう。
でも、アクセルだけしかない車って、乗りますか、乗りたいですか?、これは恐ろしいことです。欲望をアクセルとすれば、やはり欲望を制御するブレーキが必要です。
快適なドライブを楽しむためには、アクセルとブレーキを上手にコントロールする必要があるのです。
人生も同じです。「欲望」というアクセルを踏んで前進しながらも、適宜、「仁」というブレーキをきかせて軌道修正をする。その辺の制御がうまくできれば、充実した人生を楽しく生きることができるのではないでしょうか。
「より善い人生を生きる上で、欲望を持つことは必要である。でも、それ以上に、仁に照らし合わせて欲望を操作することが大事」だと論語は教えます。
昨日は震撼する出来事がおきました。安倍首相が中東訪問中に「イスラム国」に拉致されている日本人を人質に「身代金の要求に応じなければ殺す」という報道。政治への無関心さがこのような大きな事態を引き起こしてしまいました。一党独裁の政治の危うさの露呈です。言語行動がすべての国と人へのメッセージです。心学の大切さに目を開いて欲しいと願っています。
今日もアクセルとブレーキを確かにして楽しく充実した一日を送りましょう。良い一日をお過ごし下さい。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
蝋梅がようやく咲きました。梅のつぼみは膨らんでいるものの今年は寒いのでしょう未だ未だ咲かないようです。そして出入りの花屋さんが寂しい庭に春を運んでくれました。



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