施餓鬼

おはようごいざいます。

8月はお盆の月、ご先祖様に感謝し、多くのご縁に感謝する月です。8月2日は心華寺「盆施餓鬼法要」、4日は愛宕寺「盆施餓鬼法要」です。どちらかに是非おまいりいただき、ご先祖様へ感謝の祈りを致しましょう。土台でありますご先祖様は理屈抜きで大切にすべきです。ご先祖という根っこのない樹木(自身・家庭)は立ち枯れするだけです。「人という字が示しているように」支え支えられ、支え合ってこそ成長できます。少し長くなりますがお盆のお施餓鬼の話を書きます。
お施餓鬼(せがき)(施食会(せじきえ))はお彼岸やお盆の先祖供養に欠かせない行事です。お施餓鬼とは一般に施餓鬼会とか施食会といって、その始まりはお釈迦さまの高弟、阿難(あなん)さまの故事に由来します。
ある晩、阿難さまが瞑想にふけっていると、突然鬼が目の前に現れ次のように宣告しました。
「汝(なんじ)は三日のうちに命を失い、餓鬼道に堕(お)ちて私のようになるであろう」。その鬼は髪は乱れて逆立ち、体は痩(や)せ衰えて骨と皮ばかりになり、腹だけが異様に腫れています。そして喉(のど)は針金のように細く、口からは炎が吹き出ているではありませんか。焔口餓鬼(えんくがき)というのです。食物を通さないほど喉が細いばかりでなく、食物に近づけば自分の口から出た炎で食物を焼いてしまう始末です。
驚いた阿難さまはすぐさま鬼に、この厄難(やくなん)から救われる方法はないか尋ねます。すると鬼の答えは「明日のうちに餓鬼道に堕ちて苦しんでいる沢山の餓鬼をはじめ、亡くなった多くの人々、さらに仏、法、僧の三宝に対し飲食を施し供養することだ」というのです。
それにはどれほど多くの量の飲食を用意すれば良いか分かりません。阿難さま一人ではとうてい無理なことでありました。そこで阿難さまはお釈迦さまのもとに飛んでいき相談しました。
するとお釈迦さまは施餓鬼会(施食会)を営むことを教え、特別な呪文(陀羅尼)を阿難さまに授けたのであります。
早速、阿難さまは山海の飲食を供えて、お釈迦さまから教えられた呪文を唱えました。そうするとお供えした飲食の量が増えて、すべての餓鬼達に行き渡ったのです。その結果、阿難さまは命を救われただけででなく、長寿も得ることができました。
このようにして始まった施餓鬼会(施食会)は、やがてインドから中国を経て日本に伝えられ、時代と共に広がり、私も比叡山での修行中に施餓鬼会の功徳を目の当たりにして、心華寺、愛宕寺でおこなっているのです。当初の鬼や夜叉などを鎮(しず)めて自身の厄除けを願うだけでなく、ご先祖さま並びに有縁無縁の一切の霊、さらには自然災害や戦乱で亡くなった人々の供養のためにも行われるようになったのです。
施餓鬼会は「五如来(ごにょらい)の功徳」があります。施餓鬼会(施食会)のご本尊様は五如来さまです。
如来さまとは、餓鬼の喉を通るように広げてくれる「広博身如来(こうはくしんにょらい。中央)」さま、貪(むさぼ)り心を捨てさせる「宝勝如来(ほうしようにょらい。南方)」さま、餓鬼の醜い姿を美しいものに導く「妙色身如来(みょうしきしんにょらい。東方)」さま、恐れを除き餓鬼界から救出する「離怖畏如来(りふいにょらい。北方)」さま、仏の教えによって喜びを与える「甘露王如来(かんろおうにょらい。西方)」さまの五つの如来さまです。
施餓鬼会(施食会)は、五如来の功徳が三界(全宇宙)の一切の霊に注がれるように、祈るのであります。
お盆の時は夏休みでもありますのでご先祖様の前でご家族でこのようなことを教え合い、話し合ってください。「私たちが積むべき四つの徳目」です。1、対価を求めない奉仕の心(布施)。2、相手に対して思いやりのある言葉をかけること(愛語)。3、相手が望んでいる作業やその手伝いをすること(利行(りぎょう)。4、相手の目線に立って行動すること(同事)。の四つです。
これは四摂法(ししょうぼう)といいまして、私たちがとても大切にしている徳目です。布施、愛語、利行、同事(教えや財を施す布施,親愛な言葉をかける愛語,あらゆる行為によって利益を与える利行,社会的な活動をともにする同事。)です。
布施の「施」と施餓鬼の「施」は同じ施すと書きますが、これは決して上から目線で物品を与えたり、お供えをしたりすることではありません。そこに愛語、利行、同事の心がこめられていなければ、本当の施餓鬼にはならないのです。
さらに餓鬼といっても、単に食物に飢えている鬼のことだけではありません。金品のみならず、愛情や教育、家族や友人、仕事など自分が手に入れたいものを求めて、盲目的になり、自分を失いかけている人々も、餓鬼の仲間に入るのではないでしょうか。
一方、人知れずなくなったり、自死されたり死後誰にも振りかえられない人々の霊も餓鬼道を彷徨っているのではないでしょうか。
このように考えてきますと、皆さんにおまいりいただきます施餓鬼会では、まず今日あることをご本尊さまやご先祖に感謝することであります。なぜ阿難さまの前に鬼があらわれたかというと、阿難さまはお釈迦さまの説法を聞くのが大好きで、これからも毎日説法が聞けると思い込んで安心していたのです。そこで鬼によって、この世はいつ何が起こるかわからず、無常であることを知らされたわけです。
ですから元気で当たり前のようにおまいりできることの有り難さに、まず感謝し、その自分を支えてくれている繋がりのある人々、さらには目に見えない多くの人々の縁にも感謝しなさいと教えているのです。
そして、その感謝の気持ちで家族が互いに接すると、自然と家庭の中は明るくなります。四つの徳目は、まず家庭の中から実践しましょう。そして地域や職場へ、やがては広く社会へ向かえば本当にすばらしいことです。
しかし私たちはすぐ自己中心的になり、他人のことは忘れがちです。そうなる自分を日々手を合わせ反省し、再び感謝の気持ちで周囲を見渡す機縁をつくってくれるのが、施餓鬼会でもあります。夏休みでもあります、ご家族でおまいりください。ご先祖さまに感謝できるお子様であれば、勉強しなさい、あれをしなさいなどと小言などを言うことなどない家庭となります。
心華寺「盆施餓鬼法要」は8月2日(日)午前10時から、愛宕寺「盆施餓鬼法要」は8月4日(火)午前10時からとなっています。ご先祖さまに感謝の回向をいたしましょう。お家の安泰、安定がなければ何事も積み上げることはできません。心華寺・愛宕寺双方で「盆施餓鬼法要」供養の申し込みを受け付けています。心華寺は0774-44-5380。愛宕寺は0832-22-7404までお申し込みください。
月末はご先祖様のことを考えましょう。今あるのはご先祖様のお陰です。このような感謝の思いがあなたに栄華をもたらす元となります。素晴らしい一日でありますことをお祈りいたします。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
※心のオアシス「特定非営利活動(NPO)法人こころのはな」で個性を発揮してみませんか、学校では何か違和感を感じてる、自分が学びたい、伸ばしたいと考えていることを学べていないと考え鬱々としておられる学生の皆さん、ご一緒に学び合いましょう。教え合いましょう。
悩んでおられる皆さんは、同じ苦しみを、あなたより若い人たちに味合わせたいと思っていますか?、考えてますか?、ノーだと思います。
ノーというのは未来がどんな世の中であって欲しいかという夢、思いがあるはずです。素晴らしい社会を作らなければというスタートラインに立っているのが皆さんです。
個性は素晴らしい才能、宝、個性が社会貢献できるパワーです。その素晴らしい個性を社会に生かすように一緒に考えませんか?。そして実現しましょう。いつでもお電話でのご相談を受付ております。0774-45-5561(斯波(しば)まで)、お待ちしております。
「こころのはな」は3Dプリンタを用意し技術者も養成しております。他、多種多彩なプロの集団があなたの個性を発揮していただくためにお待ちしております。プロの集団は教えるのではなく、あなたが学びたいということをアドバイスするだけです。