おはようごいざいます。

「にんげん学」一宮講座ご出席の皆さんありがとうございます。昨日は論語の中で教える「信頼」の話でした。昨日は「一知己(いちちき)」ということを書きましたが、これも信頼です。「人と人とのつながりは信頼によって成り立つ」ものです。
本年の講座も来月、12月一度を残すだけです、最終講座を是非ご一緒ください。そして「終わりよければすべてよし」といたしましょう。講座予定日は12月3日(木)です、確かに予定をしておいてください。
「信頼はすべての基本」と孔子は説きます。孔子が説いたからというのではなく、信頼は基本です。では信頼はどのようにして培われていくのでしょう。それは「日々の行動で築き上げられる」のです。
1、毎日を正しく生きることで信頼は培われていく。2、言ったことに責任を持つ。3、嘘をつかない。この三つが基本です。この三つを確かにすれば信頼は培われていくと教えます。
論語、為政第2,22条「子曰く、人にして信なくんば、其(そ)の可なるを知らざるなり。大車輗無(だいしゃげいな)く、小車褹無(しょうしゃげつな)くんば、其れ何を以て之を行(や)らんや。」。
意は「信頼がなければ何をやっても駄目だ。まるで牛車に轅(ながえ)の横木がなく、馬車に轅の軛止(くびきどめ)めがないようなもので、ひっぱていきようがない。」
「言行が一致しなくてもいいと思う者がいるようだが、私はそれではいけないと思う。言うこととやることが一致してこそ信頼を得ることになるからだ。荷車や馬車は牛や馬が引く横木がなければ動かないのと同じように、両方がうまくかみ合うことで物事はうまく進むものである。」。
「言行一致が信用のもと」だというのです、あたりまえのことです。しかしこれがなかな、私たちは往々にして「ほらを吹く、できないことを蕩々(とうとう)としゃべる」これがいけない。だから信頼が得られない、自分で自分の言葉に酔っている、これではどうしようもない。自らを貶(おとし)めている。
轅(ながえ)や軛(くびき)は牛車をつないだり馬車の舵取りをする重要なパーツのことです。孔子はこれを人間関係の信頼にたとえて「轅(ながえ)や軛(くびき)がないと車を動かせないように、信頼がない人とどうやって付き合っていけるだろうか」といっているのです。
ここで強調している「信」とは、言葉にしたことは必ず実行する、つまり「約束を守ることであり」、「不正を隠蔽したり」、「悪事を行って人をだましたりしない」ということです。
論語」のなかで「信」は二つの意味を持っています。「一つは人から信認されるということ」です。もう一つは、「人に対し信用がある」ということです。
孔子は「民(社員)に信用されなくなると国家(会社)は成り立たない」(顔淵(がんえん)篇)とも言っており、民(社員)からの信任が何よりも重要だと考えています。
国を治めることからして「信」が最も重要なのですから、その他の事については言うまでもありません。職場でも家庭でも地域でも、人との関わり合いがあるところでは、人からの信任が非常に大切です。人から信頼されなければ、何事も成し遂げることはできません。したがって、誠実さは優れた人間性道徳心を体現するものだとして重視されてきたのです。
約束を守る。ただそれだけのことで歴史に名を残した人物がいます。それは季布(きふ)という秦代末期(しんだいまっき)の武将です。彼は楚(そ)の項羽(こうう)の配下として活躍しましたが、項羽の死後は敵国にも重用された人物です。幼い頃から素直な性格で、義理人情に厚い人でした。とりわけ、一度約束したことは、いかに困難なことでも必ず守ったため、当時、「黄金百斤(ひゃくきん)を得るは、季布の一諾(いちだく)を得るに如(し)かず(黄金百斤手に入れるより、季布の一回の承諾を得るほうが価値がある)」とまで言われました。
楚の項羽に仕えていたときは、楚の大将として何度も劉邦を苦しめましたが、項羽が敗れ劉邦が天下を統一すると、劉邦は彼の首に千金の懸賞をかけて探させ、匿(かくま)う者は一族もろとも死刑と布告しました。しかし、季布を知る者は彼を決して売るようなことをしないばかりか、彼を匿い助けました。さらには、人を通じて劉邦に取りなしてくれたのです。彼らのおかげで季布は郎中(ろうちゅう。警護役)となり、最後は河東郡の太守にまで出世しました。これも彼の誠実さによるものです。
古来より「安請け合いをする人間は必ず約束を守らない」「一度口に出した言葉は取り返しがつかない」などの教訓があります。これらの教訓は約束を守ることを重要な価値として考えてきたことがわかります。
今夜は「にんげん学」東京講座、信用があればこそ、人と人との関係は緊密になりますし、約束も増します。また信用があればこそ友情もさらに深まります。だからこそ、人としての理想の境地は「言(げん)必ず信、行(こう)必ず果(言葉には決していつわりがなく、行いは必ずきびきびしている)子路篇」といえるのではないでしょうか。東京地区の皆さん会場でお待ちしています。今日は「言ったことは必ずやりましょう」、言行一致を心しましょう。
明日「NPOこころのはな」で「第二回・子育て支援セミナー」が午後3時より開催されます。「習慣による子育ての大切さ」をお聞きします。習慣は大切なことはわかっているのですが、できない、どこかに無理があるのかも知れません。
毎日やればこそ自然な成長、無理のない成長があります。場所は「心華荘」です。約一時間のお話です。第一回も素晴らしい有意義な実践しやすいお話でした。今回も直ぐに役立つお話が聞けることと思います。ご参加をお待ちしています。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
いつも「にんげん学」一宮講座へ入る時は車で名神高速道路を走ってきます。トイレ休憩で「伊吹パーキングエリア」に入りました。トイレの入り口に蝶々が、そしてトイレの前に楽しいステッカーが。


「にんげん学」講座でお世話になります一宮マツダの社長さんのご自宅の庭に白い八重のきれいな山茶花が咲いていました。



皆さんからご寄付いただきました寄付金を、南三陸町興大使のHさんにお渡しして、町から領収書をいただきました。2月の節分会、5月のチャリティゴルフコンペ、7月の大般若会等で皆様からのご厚志65万円をご寄付させていただきました。


Hさんの仙台のお土産のお饅頭と、きれいなお花はMさんです、毎月ありがとうございます。