六験

おはようごいざいます。

「にんげん学」東京講座ご出席の皆さんありがとうございます。本年最後の講座、感謝いたします。予定を変えましての開催、出席できなくなられました皆様には心よりお詫び申し上げます。
Yさん、お仕事がお忙しい中わざわざ懇親会に足を運んで年末のご挨拶をいただき感謝いたします。御身お大事に素晴らしい新年をお迎えください。新年は1月15日(金)でございます。新年の挨拶を元気に交わしたく思います。お大事にお過ごしください。皆さん一年ありがとうございます。
心学の大事はいつも書いています。昨日の八観法に引き続き「呂子春秋」の六験(ろっけん)という「六つのことをためす」、「人の性格・性情をためす」法を書きます。人を試すことは余り感心しませんが、地が出てしまうのが人間でもあります。用心せよということです。しかし己を見る、人を見るに素晴らしい方法です。
1、之(これ)を喜ばしめて以(もっ)て其(そ)の守(しゅ)を験(けん)す。
本人を嬉しがらせて、その人間にどれだけの守りがあるか、ということを験(ため)す。人間は嬉しくなると、相好をくずしてくたくたになってしまう。こういうのはあてにならない。
2、之を楽しましめて以て其の僻(へき)を験す。
喜ぶと楽しむとはどう違うかと言うと、喜ぶは本能的、情欲的であるのに対して、楽しむはそれに理性が加わる。人間は楽しむと、どうしても僻(へき)する、かたよる。将棋や碁が好きだと将棋や碁にかたより、ゴルフが好きだとゴルフにかたより、酒が好きだと酒にかたより、書画が好きだと書画にかたよってしまう。
3、之を怒(いか)らしめて以て其の節(せつ)を験す。
怒りというものは感情の爆発でありますから、どうしても締めくくりをふっとばす。即ち怒りに乗じて節を失う。どんなに怒っても締まるところは締まる、抑えるところは抑える、というのが節であります。
4、之を懼(おそ)れしめて以て其の持(じ)を験す。
恐れるとどうしても、何かにすがりつきたくなる。よく腰が抜けると申しますが、一本立ちができなくなる。いくら恐れても、毅然(きぜん)として独立性を失わぬが持であります。
5、之を哀(かな)しましめて以て其の人を験す。
人というのは、その人の全体的な反応、いわゆる人柄であります。悲しみというものは、その人間の人柄をそのまま出すものです。
6、之を苦しましめて以て其の志(し)を験す。
苦しみというのは相手から圧迫を蒙(こうむ)ることで、つまりいじめられることである。だから苦しいことにぶつかると、すぐにへこたれる。志というものは千辛万苦(せんしんばんく)と闘って、これを排除して、自分の理想・自分の欲望を遂行してゆくことであるから、よく苦しみに耐えて、自分の理想を追求してゆくような人であれば間違いない。
いかがですか、紀元前の方がまとめたとは、「うなってしまう」でしょう。人を云々することは自分を云々することです。人様を験することなどはなはだおこがましいことであって、自分がこの六験を熟読吟味し知行合一をなし「自分がどれほどの点を取れるのか」「自分をいかに反省できるか」を確かにして自分を作る、修養する楽しみになると思っています。
論語を読み、己に反し、ただしていく12月の後半としたいものです。人を見ることは自分を見ることと思い、週末の今日は大いに反省の一日としてはいかがでしょうか

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
勉強会前に巣鴨

Mさん一年お花をありがとうございます。

定宿も12月らしく