人生の大事は「志」

おはようございます。

昨日、朱子の「小学初題」のことを書きました。冒頭の「灑掃(さいそう)・応対・進退の節」この三つが人生重要なポイントです。
相談にこられる方のなかに、このような話しをなさるお方があります。「お金がないから勉強ができない」「お金がないから事業ができない」「学校を出ていないから仕事に就けない」といったものです。このようにおっしゃる方は「自分の心を外に奪われている」か「自分を見失っている」のです。
私は比叡山修行時代「小僧という立場」。比叡のお山に暮らしてはいましたが、暮らしているだけで、僧ではない、修行僧でもない、いわゆる「堂衆(どうしゅう)」(今の世界でいいますと、お勤めさせていただいてる、大半の仕事は作務(さむ)・雑務(掃除一般何でも、小間使いで無給。)。少しは僧のまねごとはしておりましたが。「習わぬ経を読む」を旨としていました。」
お山の世界では「最下位の存在」。どのような場所に在っても「人生の大事は志」と考えています。「どう生きるか」です。私はいつも書いていますように、「人様のペースについてはいけないことを知った」のです。
「外にある勉強(知識)の世界ができなければダメ」と比叡山に登るまで思っていました。自分の「心を外の世界に奪われ茫然自失」。
しかし私は勉強はできずとも、自分なりに考えますし、悩みもします。そして「一隅を照らす。ポストにベストを知った」。それを「志とした」のです。
世の中、貧乏だから勉強ができないということは絶対にありません。私も以前はそのように思っていました。要するにこれは「人間の問題」で、その「人自身が志を立てさえすれば貧乏など問題ではない」のです。
昔から偉大な仕事をやり、また偉大な「自己をつくりあげた人で、おおよそ貧乏でなかった人は何人おるでしょうか?」。
お金に恵まれ、贅沢ができて偉くなったという人は、それこそ本当に例外なのです。たいていは貧乏で、しかもずいぶんひどい貧乏が多かったのです。明治の西郷南州(隆盛)は吉之助の少年時代は大変な貧乏で、家庭は困難をきわめ、いつもぼろ着物に破れ草履をはいて、それこそ惨憺(さんたん)たるものだったそうです。勝海舟なども大変な貧乏で、彼の25才の日記に、オランダ語の辞書が高くて買えない、借り賃を払い二通書き写し一冊売ったとか、飯を炊くにも薪がない、縁側をはぎ、柱を削って、これを燃料にして飯を炊いたなど、日記に「困難ここに至って又感激を生ず」と書いています。いわゆるどのような状況の中にあっても勉強できることが嬉しいというのですから恐れ入ります。三菱の創始者岩崎弥太郎などは、それこそ私たちの想像のできないような有名な貧乏です。
ひどい貧乏をやりながら、少しも苦にしておらない。この辺が人間の分かれ道なのかもしれません。
同じ貧乏をしても感激のある貧乏をやっているのです。このような先人の話を読み知って感動していましたので、心華寺に下山して何もなかったのですが、応対・進退の覚悟で、困窮していたからこそ感奮したのです。だからこそ志のある人との出会いを得た。
私は、出来の良い人間ではありませんが、いろいろな書物を読んで感奮したのです。勉強ができない、貧乏やお金がないなどというものが問題ではなく、貧乏であれば、貧乏すればいいのであって、頭が悪ければ頭が悪いと自覚すればいいのであって、それを理由に言い訳をするなどというのは、生命力の弱さ、精神力の弱さ、志の無さだと気づかされたのです。
お経や心学の書を読み進めますと、頭が悪いから勉強ができないなどと考えること自体が間違っていることに気づかされます。「志・一度たてば、頭の悪いことぐらい問題ではなくなる」のです。
本を読んでいますと分かるのですが、昔から立派なことを成し遂げた人で、頭の悪い人は随分いるものです。逆に頭がなまじっか良いと、かえって安心して怠け者になったり、脱線したりする者が多いのです。頭が悪いと自覚した者が努力して、勉強して、たたき上げたという話しが「小学」には載っているのです。それが「応対・進退の節」、どのように自身が現実に応対し対応し進退を決めるかです。私自身が真に本気で悩んだからこそ私は探し当てた出会えたのです「一隅を照らす。ポストにベスト」。
比叡山開祖・伝教大師様は「道心の中に衣食有り」、御仏の教えは「正道を歩み貧すれば必ず御仏は眼前する」との教え、だからこそ、より一層信じることができたのです。今日もコツコツと「ポストにベスト」を尽くします。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
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ご近所を歩いて、庭先に花々が、皆さん素晴らしいですね。