無事

おはようございます。

7月第3週、今日は海の日で休日ですが後半に入ります。日々何事もなく暮らせていることに感謝できることが豊かな人生を生きる秘訣、「無事貴人(ぶじきじん)」。
無事貴人とは臨済宗祖・臨済義玄禅師の言葉。私達は、平素よく「無事」という言葉を使います。
変わりがないこと、健康であること、平穏であることの感謝や願望を表す挨拶語として使われます。
しかし、禅語としての「無事」にはもっと別の深い意味があります。
臨済禅師が説くところの「無事」とは馳求心(ちぐしん。外に向かって求める心)をすっかり捨て切ったさわやかな境涯です。
求める心を捨てるといっても、「無気力無関心であれ、惰性で生きろということではありません」。志を忘れてはいけません。
また財産や名誉をあくせく求めるなという表面的な戒めとも違いますが、もちろんこれらも入っています。
「無事」とはいわば、「求めなくてもよいことに気づいた安らぎの境地」といえます。私たちは四苦八苦の一つ、求不得苦(ぐふとくく。求めているものが得られないことから生じる苦しみ)に気づくことです。あれがなければ、これがなければ、こうでなければ、出世しなければ、あの人の上に立たなければ、これくらいのお金がなければ、となってしまうと日々欲しい欲しい、いつ得られる、いつ得られるの不満ばかりが募り、自ら苦しみを作り、いっこうに人生を楽しめない。
何より無事がめでたい、無事の日々の生活が出来ることは尊く、そのことが出来る人こそ貴い人というのが無事貴人。無い物ねだりをして、入るかはどうかもわからないことで苦しむ、取らぬ狸の皮算用の愚はよろしくない。
立派な意見を言い、考えが立派であればあるほど、ならなければ、不平と愚痴、その上粉飾したり、製造日を誤魔化したり、言葉で威圧したり、人の所為(せい)にするようでは立派な意見とは言わず、戯論(けろん)、妄想(もうそう)ということです。だから物知りは始末に負えん。物知りが会社、社会をダメにする。
好きなことで、できることで生きる、楽しんで日々を暮らせば、無事の心境になり得るかもしれないと愚かな私は欲を抱かず暮らしています。ポストにベスト、出世も昇級も求めず望まず願わずとも、ポストに感謝、ベストを尽くせば求め得ずとも、今日一日無事に過ごせるお米とお天道様はついて回るのです。
過分なことを求め邪念を起こさず、無駄な競争をせず、暑い夏を疲れるような暮らし方をせず7月後半を感謝し無事に過ごしましょう。
今日は午後2時からNPOこころのはな「ひきこもり女子会」です。お待ちしております。海のような広大な気持ちでお過ごし下さい。今週も充実した一週間をお過ごし下さい。
明晩は、「にんげん学」神戸講座。人心掌握法・対人関係の指南書「論語を読む」です。皆さん充実した生きがいは欲を捨ててこそ得る境界、忠恕のあり方で歩めば知らないうちに求めずともリーダーになってしまうのです。会場でお目にかかりましょう。
海の日で休日の今日、九州北部地方へボランティア活動をなされています皆さん、お暑い中お気をつけて活動して下さいご苦労様です。ありがとうございます。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌