信なくば立たず

おはようございます。

昨日は72度目の終戦の日、不幸にして戦争の犠牲者になられました多くの皆様に改めて不戦の誓いと、ご冥福をお祈り致しました。
国の政治も会社の政治も家の政治も、「政治は信頼感」が大切です。思いの大事、大切さは何度も書いています。どのような思いを持って政治を行うかの思いを私は「論語、顔淵(がんえん)第12ー7」に置いています。教えは自分を測る物差し、鏡。これが無ければ修正することもできず、修正する必要性も感じず、良心を放棄するということです。
「子貢(しこう)、政(まつりごと)を問う。子曰く、食を足(た)し、兵を足し、民之(たみこれ)を信ず。子貢曰く、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於いて何(いず)れをか先にせん。曰く、兵を去らん。曰く、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて何れをか先にせん。曰く、食を去らん。古自(いにしえよ)り皆死有り、民、信無(しんな)くんば立たず。」
訳は「子貢が政治の要諦について尋ねた。先生が言われた。「食糧の備蓄を十分に行い、軍備を充実させ、民の信頼が厚い政府にする」
子貢が尋ねた。「どうしてもやむなく捨てなければならない場合、この三つのうち、何を先に捨てますか」
先生が答えた。「軍備を捨てる」
子貢がさらに尋ねた。「どうしてもやむなく捨てなければならない場合、残った二つのうちのどちらを先に捨てますか」
先生が答えた。「食糧を捨てる。古来、人は必ず死ぬものだ。しかし民の信頼がなければ国家は成り立たない」」。
お読みなり、皆さんいかがですか?。孔子は、国家を(家・会社)を治めるためには、少なくとも三つの条件「食・兵・信」を備えておくべきだとしています。その中で、「信」が最も重要だというところに、「心学」と言われる所以があるのだと思っています。
社会生活、会社生活、家庭生活の中で必ず困窮するときはあるのです。時に信頼関係が大切となるのです。困ったときに団結する信が無ければ崩壊するだけです。良いときだけ力を合わせ、何か問題が生まれたとき、協力できない、力を合わせられないのは、日頃のあり方が問題なのです。人生は山あり、谷ありです。苦楽の繰り返しが自然です。
民の信頼がなければ国(会社・家)は成り立ちません。民に信頼を得るためには、民(社員、家族)に嘘をついてはならず、事実に基づいて事に当たり、作為的なことをしてはいけません。このようにして初めて為政者(社長・家長)と民(社員・家族)の間に信頼関係が醸成されるのです。
その信頼感から国力も社力も家族力も増強され、政治が軌道に乗り、人心も安定するのです。
ですから、たとえ兵器も食糧も十分あるとしても、民の信頼がなければ、国家(会社・家庭)が一つにまとまることはないため、国家(会社・家庭)は衰亡を免れません。物資的に豊かなのに、家庭が崩壊している家庭は数多あります。それは信が無く、信頼関係の崩壊が一因でありましょう。
現代の政治においても同様です。政治家や社長・家長が最も忌避すべきは、約束を守らないことです。口先だけで実質を伴わないことを言うのは避けることです。
たとえば、日頃、国民の生活向上を図ると政策を公言しながら、実際は身内や取り巻きのための政治または保身のための政治を行う姿勢が露見してしまえば、国民はそうした政治家の言う政策を二度と信用することはありません。
つまり、政治家や社長・家長にとって最も重要なことは、「誠実であるということ」です。「覆水盆に返らず」「一度口に出した言葉は取り返しがつかない」のです。政治家や長と名のついている者は、一度した約束は必ず守ることが仕事です。そうであってこそ、国民、社員、家族からの厚い信頼が獲得でき、その信頼感が国家安定、会社安定、家庭安定の基盤となるのです。
だれしも、長、先輩になりますし、政治家を志す方もあるでしょう。このような思いを為し、歩んでいただき、社会の平和を実現していただきたいと念じています。
身近な家、学校、職場、社会、国の醸し出す雰囲気、気風は周りの人に大きな影響を与えます。だからこそ「心学」を通して「人としてどうあるべきか」「支え合う」「慈悲・仁愛」の社会をつくるべきではないでしょうか。そして上に立つ者は善言を言うことが使命では無く、言行一致することが使命と考え言葉を発すべきです。昨今のリーダーは善言を言うばかりで、その行動が相反しているように感じるのは私の感じ方が誤っているのでしょうか?。リーダーは言行一致を為すべきでしょう。人に善を責め己は行うことなければ従うはずはないのです。
リーダーは「言っている=できている」と錯覚してはいけません、厳に戒めるべきです。そのような言動は独裁者です。独裁者の欠点は自分を棚に上げて人を非難し云々することです。世間の至る所に独裁者はいます。私もこのような愚か者にだけはなりたくないものと自反しています。人を云々する人が戦争を引き起こす危険人物でもあります。そのような人とは余りおつきあいすべきではありません。
明晩は、「にんげん学」一宮講座・人心掌握法・対人関係の指南書「新・論語を読む」。明後日は「にんげん学」東京講座、人生充実の必勝法「老子を読む」です。共に午後6時半受付です。お目にかかれることを楽しみにまいります。
今日も素晴らしい一日でありますようお祈りいたします。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
☆たわわに実り始めました。