聞く・尋ねる

おはようございます。

 「にんげん学」神戸居酒屋講座「論語を読む」本年最終講座ご出席ありがとうございます。嬉しいですね、正直とても嬉しく思います。一年の最終、締めくくりの講座にご出席いただく、感謝いたします。
 私は毎日「仏教聖典」を読誦します。お経を読み下したものです。この聖典はホテルなどでも各部屋に置いているところも多くあります。昨日読みましたところを掲載します。味わってください。孔子も多聞の人を友とせよ、と説いています。
 「昔、スダナ(善財)という童子があった。この童子もまた、ただひたすらに道を求め、さとりを願う者であった。海で魚をとる漁師を訪れては、海の不思議から得た教えを聞いた。人の病を診る医師からは、人に対する心は慈悲でなければならないことを学んだ。また、財産を多く持つ長者に会っては、あらゆるものはみなそれなりの価値をそなえているということを聞いた。
 また坐禅する出家を訪れては、その寂(しず)かな心が姿に現れて、人びとの心を清め、不思議な力を与えるのを見た。また気高い心の婦人に会ってはその奉仕の精神にうたれ、身を粉にして骨を砕いて道を求める行者にめぐり合っては、真実に道を求めるために、刃の山にも登り、火の中でもかき分けてゆかなければならないことを知った。
 このように童子は、心さえあれば、目の見るところ、耳の聞くところ、みなことごとく教えであることを知った。
 かよわい女性にもさとりの心があり、街に遊ぶ子供の群れにもまことの世界のあることを見、すなおな、やさしい人に会っては、ものに従う心の明らかな智慧をさとった。
 香をたく道にも仏の教えがあり、華を飾る道にもさとりのことばがあった。ある日、林の中で休んでいたとき、彼は朽ちた木から一本の若木が生えているのを見て生命の無常を教わった。
 昼の太陽の輝き、夜の星のまたたき、これらのものも善財童子のさとりを求める心を教えの雨でうるおした。
 童子はいたるところで道を問い、いたるところでことばを聞き、いたるところでさとりの姿を見つけた。
 まことに、さとりを求めるには、心の城を守り、心の城を飾らなければならない。そして敬虔(けいけん)に、この心の城を開いて、その奥に仏をまつり、信心の華を供え、歓喜の香を捧げなければならないことを童子はまなんだのである。」。
 じっくりと味わい何度もお読みください。「我以外皆我師(我以外皆我が師なり)」という言葉があります。自分を取り巻く世界にはありとあらゆる先生の存在があるのです。
 私達は皆、この世に生を受けるときには、言葉も何も知らない純粋な心で生まれてきます。そして、親から、友達から、学校の先生から、自然から、いろいろなことを吸収し学んで成長してきます。ところが、いつのまにか「学ぶ心」を忘れ、人の未熟さが気にかかるようになってはいないでしょうか。
無住禅師のお言葉に「人をそしりては、我が身の失を かえりみる、これ人を鏡とする心なり」というお言葉があります。
 人のあやまちというものは目につきやすいものですが、そのあやまちを非難する時でさえ、形こそ違え自分も同じようなあやまちを犯してはいないか、と自分自身への反省を忘れてはならないという戒めなのでしょう。人のあやまちはよく分かるものですが、自分自身のあやまちというものはなかなか見えないものです。それだけに、もし自分のあやまちに気がついたときには、よくよく根が深いのではないかと考えてみなくてはならないのです。
 ここに自省する「心学」の重要性があるのではないでしょうか。知識も豊富、学歴もある、しかし悶々としている?、それは過去の評価に生き今を生きず学ぶことを忘れ、どこかに慢心という気持ちがあるのではないでしょうか?。それが折に触れて顔を出し人生の行く手を阻んでいるのかもしれません。私たちは毎日朝起きて鏡を見るように、心も心学という鏡に映して見ることも大事なのです。
 このように謙虚に反省し、向上してゆくところに人生修行の道があるわけですが、仏教における究極の目標は、この世に生きる間に「仏さま」と同じような心に到達することなのです。その目標について「道元禅師」は、次のようにおっしゃっておられます。
「仏となるにいとやすきみちあり、 もろもろの悪をつくらず、生死に著するこころなく、一切衆生のために、あはれみをふかくして、かみをうやまひ、しもをあはれみ、よろずをいとふこころなく、ねがふこころなく、心におもふことなく、うれふることなき、これを仏となづく。またほかにたづぬることなかれ。」。
 神戸地区の皆さん来る年もどうぞご一緒に心学を学んでください。新年1月は1月29日(火)となっております。お互い元気にお会いいたしましょう。一年ありがとうございます。
 皆様も今日は「聞く・尋ねる」を心して楽しくお過ごしください。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。 合掌
※運命相談。辯財天秘法姓名判断。家相、地相の相談等々ご相談ください。0774-44-5380。メールbonsan01@wao.or.jp。したいけど、できないから相談することの勇気が未来の幸運の扉を開けます、ノックをしましょう。尋ねることを知恵、自明の人(自分に明るい人)といいます。
○神戸講座の皆さん一年ありがとうございます。