謙虚と寛容

おはようございます。

 「にんげん学」大阪講座「老子を読む」ご出席の皆さんありがとうございます。一昨日のノーベル生理学・医学賞受賞の京都大学特別教授・本庶佑氏のコメントをお聞きして、学問は普遍、不仁(学問研究をする誰にでも恩恵を与える)ということを確かにできました、ありがたいことです。
 優秀な人の特徴は謙虚さと寛容さにあります。人の素晴らしさを認めた感動、度量が偉大な研究成果を得るのでしょう、まさしく「温故知新」。
 昨日学びました老子14章「道」は「心で感じるもの」がまさにこの事を言い表しています。
「見ようとして見えないものは形がなく、これを「夷(い)」といいます。聞こうとして聞こえないものは声がなく、これを「希(き)」といいます。触(ふ)れようとして触れられないものは痕跡(こんせき)がなく、これを「微(び)」といいます。この三つは捉(とら)えどころがないので、渾然一体(こんぜんいつたい)となった「道」と考えます。
 その存在は上だからといって明るいわけではなく、下だからといって暗いわけでもありません。絶え間なく変化して名づけようもありません。結局、また無の世界に戻っていきます。これを形のない形、姿のない姿といい、「惚恍(こつこう)(不確かなもの)」といいます。前から見ても先頭は見えず、追いかけても後ろの姿は見えません。
 しかし、古くから伝えられる「道」をよく見極めて現在を見つめれば、ぼんやりとながらその始まりを知ることができるでしょう。
 それを「道の法則」といいます。」
 じっくり何度も読まれて味わってください。この道を歩もうと決めた最大の理由は「何となく心で感じる悦び、惚恍・恍惚の状態なのです」、「心の底から突き動かされる温故知新でもある」のです。
 素晴らしい研究者や経営者の方の共通項は、学びを通して「今、自分はどう活きればいいかという問題のヒント、生き方の法則」を先人から知ることができた、アイデアを得て人生を確立したのです。
 人生に迷いが生じたときは、昔の人の生き方を研究して参考にする、という方法があります。歴史上の偉人や賢人の言葉を参考にするのもいいでしょう。また、両親や祖父母、同じような研究者が自分と同じくらいの年令の時に、どんな生き方をしていたのかを知ることも、これからの人生を考える?いいヒント?になります。
 イギリスの劇作家、シェイクスピアは、「あらゆる人間の人生には、歴史がある」という言葉を残しています。
 両親、祖父母、先人や多くの人に歴史があります。
 つまり、両親や祖父母にも若い頃が有り、恋愛をしたり、仕事に悩んだり、情熱に燃えてチャレンジしたり、失意のどん底を味わったり、波瀾万丈の経験をして、生き抜いてきたのです。研究者も経営者も同様です、悩まなかった人はいないのです。
 もしかしたら、今の自分と同じような悩みを抱えていたこともあったかも知れません。その時、両親や祖父母、先人がどういう生き方をしたかを知ることは、必ず自分の人生にも役立つ点があると思います。
 似たような性格、同じような環境で育った人間の「成功パターン」や「失敗パターン」を知ることは、生きるためのヒントになるのです。
 真剣に学ぶからこそ、真剣に悩むのです。だからこそ「人、書に出会えるのです」。米国のテキサス大学のジェームズ・アリソン教授が本庶特別教授の学説と出会ったのも悩んだからでしょう。
 謙虚と寛容、何ごとも大成させるのは、目に見えない、触ることもできない、感性、心が大事なのです。社会には豊かな人が大勢おられます。参考、お手本としましょう「呂氏春秋(りょししゅんじゅう)・仲夏紀(ちゅうかき)」に「道というものは、見ても見えず、聞いても聞こえず、形というものがない。見ても見えず、聞いても聞こえず、形もないということを知っている者だけが道をどうにか知ることができる。道は小さすぎて形もなく、名前もつけられないが、敢(あ)えて名づけるならば太一(たいいつ)である。(太一とは古代中国における宇宙の根元を表す哲学的概念、または天の中心に位置する星官、またはその神格)」。
 といっています。孔子のいう「学びて時に之を習う、亦説(またよろ)こばしからずや。朋遠方より来たるあり。亦楽しからずや」という悦びでしょう。自分自身の中の魂、心が悦ぶ、これは物を得る喜びではなく、心で感じる人生不退転の悦びです。このような悦びがあったからこそ、本庶佑教授とジェームズ・アリソン教授の出会い、引き寄せ合うエネルギーの働きがあったのでしょう。それがノーベル賞を生むことになった。まさに謙虚と寛容の賜です。
 次回の大阪講座は11月13日(火)です。大いに悦びを感じ日々お過ごし下さい。
 今日はNPOこころのはな「子ども食堂」開店日です。正午までご予約を受けつけております。0774-45-5561迄ご予約をお願い致します。小学生以下は無料。中学生以上保護者の方は300円ちょうだいします。
 今日は魂の悦ぶことを推し進めてまいりましょう。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。
☆「仕事運が良くなる」日々の四つの実践徳目:慈悲の心を持つ(思いやりは勇気)・質素倹約(物心両面のゆとりがなければ心貧しくなる)・謙虚な心(争いを生まない)・一隅を照らす(ポストにベスト)。 合掌
※どのようなことでもご相談下さい。電話:0774-44-5380。メールbonsan01@wao.or.jp 相談する勇気が幸運の扉をノックします。
☆会場を道頓堀川を通して。


☆皆さんへと伊丹「寶樹庵」のYさんが「芋しぐれ」「きんつば」をお持ち下さいました。大阪のKさん、サンドイッチをありがとうございます。そしてYさん、おせんべいをありがとうございます。