手柄は譲る

おはようございます。

昨日から将来のリーダーたらんと志を持つ某企業の7名の若者が入山しています。寺での研修ですから「心を中心」とする研修です。心は「何かを通して表現する」というのが私たちの世界の考え方です。いわゆる「投影(とうえい)・投射(とうしや)」する、しているということです。
ですからいくら言葉が立派でも言行が一致していなければ、何をか言わんやです。私たちの世界に限らずどのような世界でも実践、行動が無ければ良い成果は出ず、結果は得られません。
そこでリーダーの「心構え、気構え」を形成するにどのような思考が大切か等々の話しをさせていただくわけですが、その中の一つ、呂新吾(りよしんご)が表した「呻吟語(しんぎんご)」に次のような語があります。呂新吾という人は中国・明の時代の官僚です。官僚になり、内実を知った彼は大いに「呻吟(しんぎん)」したのです。呻吟とは余りの痛さ苦しさに「うめく」ことを言います。痛みはその人にしかわかりません、余りにも腐りきった政治を国民のためにどうすれば理想に近づけられるかという日々の工夫の語であり、実践した言葉です。
「好名児(こうめいじ)を将(も)って都(すべ)て収めて自家(じか)の身上(しんじよう)に在り、悪名児(あくめいじ)を将(も)って都(すべ)て推(お)して別人の身上に在るは、これ天下の通情(つうじよう)なり。この両箇(りようこ)の念頭は、都(すべ)て箇の悪名を攬(と)りて身に在るを知らず。善を譲り過を引くに如(し)かず。」
意は「手柄はすべて自分のものとし、過ちはすべて他人のせいにするのは世の習いである。
ただ、これでは自分への悪評が高まるばかりである。
そうならないためには、手柄を他人に譲り、過ちの責任は引き受ける。」
手柄は譲り、過ちの責任は引き受ける。というのですから、なかなかのものです。呂新吾という人間はこのように在ったというのですから、リーダーを目指す人は見習うべきでしょう。「リーダーとは、部下に手柄を立てさせ、部下の失敗の責を負える人である」というのです。
このように在るためには日常の修練が如何に大切か、日々の在り方がいかに重要かと言うことです。身についていなければこのような行動はとれません。しかしこのような行動を取れるようになれば、部下の人たちも過ちを少なくしようと修練するようになるはずです。
失敗をせずに成長出来る人などどこにもいないのです。研修生の皆さん夕方まで精進ください。
皆さんもどのような思考を通して行動するのかを確かにするための週末としてみてはいかがでしょうか。良い週末をお過ごしください。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。日々の徳目、勤勉・質素・社会と人のために一隅を照らす。  合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。
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