雲を帯びざるは無し

おはようございます。

4月になりました、新年度、全国の新社会人の皆様、入社おめでとうございます。真っ直ぐに夢に向かって歩んでください。そして現実を先ず受け入れて取り組んでいってください。
私も新たな気持ちで今日からまた書いてまいります、今月もよろしくご愛読くださいますよう。
「無山不帯雲(やまとしてくもをおびざるはなし)」(禅林類聚)。
有水皆含月(水有り、皆月を含み)
無山不帯雲(山として雲を帯びざるは無し)
意は「濁ったどぶ川の水も清らかな寒潭の水も、小さなたらいの水も洋々たる大海の水も、みな平等に天上の月影を宿している。高い山も低い山も、東の山も西の山も、どの山もみなそれぞれに風情おもしろく片雲を伴っている。雲を帯びない山は無い」という意味であります。
この句は単なる叙景の詩ではなく、「一切の人間は男女、老若、貴賤、貧富、賢愚、美醜、ないしは国籍、人種の差別にかかわりなく、皆ことごとく本来円満平等に知恵をそなえている」という仏の根本の教理を、自然に託して風流に表現したものです。
私たちはややもしますと、慢心を生じ、我執をおこし、巧者をそねみ、富者を憎み、初心の者を見下すという卑しさに陥るものであります。
現実の中で様々な事象に出会い、巡り会うものです。時に因果の道理に目覚め、出会いから学ぶという事をしていかなければ、誠にもったいないことなのです。
体験したことから気づき学ぶことをせずに在れば時間だけが過ぎ去り虚しいだけでありましょう。
先輩である私たちは初心者を軽んずることなく育て、また新人の皆さんは何らかの障害にあったとしても自らの可能性を信じて、卑屈にならず自信を持って精進して欲しいと願って、はなむけとしてこの語を贈ります。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。               合掌